ニトリホールディングス、衛生管理者の資格保有者が2,948人に|前期比144人増
ニトリホールディングスが2026年8月28日に公開した「統合報告書2026」で、衛生管理者の資格保有者数が2026年3月期に2,948人となったことが分かりました。
2025年3月期の2,804人から144人増加し、3年連続で前年を上回っています。


衛生管理者の資格保有者は2,948人
「統合報告書2026」では、衛生管理者資格者数を「健康と安全」に関する非財務データとして掲載しています。
前期から144人増加
ニトリホールディングスなど7社における衛生管理者資格者数の推移は、次のとおりです。

2023年3月期と比較すると、3年間で1,180人増加しました。増加率は約66.7%です。
一方、2025年3月期に資格者数が大きく増えた理由や、2026年3月期に144人増加した要因は、同報告書では説明されていません。
集計対象はグループ7社
資格者数の集計対象は、次の7社です。
- ニトリホールディングス
- ニトリ
- ホームロジスティクス
- ホームカーゴ
- ニトリファシリティ
- Nプラス
- 島忠
今回の数値は7社の合計であり、ニトリグループ全体を集計したものではありません。
また、会社別や第一種・第二種などの資格区分別の内訳は公表されていません。資料では単位を「名」としていますが、複数の免許区分を持つ人の扱いについても注記はありません。
衛生管理者は職場の健康管理を担う資格
衛生管理者は、労働安全衛生法に基づき、一定規模以上の事業場で選任が義務付けられている資格者です。
常時50人以上の事業場で選任が必要
厚生労働省によると、常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場では、衛生管理者を選任しなければなりません。
必要な人数は事業場の規模によって異なり、常時使用する労働者が50人以上200人以下の場合は1人、3,000人を超える場合は6人以上の選任が必要です。
衛生管理者は、作業環境の調査や改善、衛生教育、健康相談などを担当します。少なくとも毎週1回は作業場を巡視し、健康障害につながるおそれがある場合には必要な措置を講じます。
第一種と第二種で対応できる業種が異なる
第一種衛生管理者は、すべての業種で選任できます。
第二種衛生管理者を選任できるのは、農林水産業、建設業、製造業、運送業、医療業などを除く業種です。小売業と運送業のように異なる事業を展開する企業グループでは、事業場の業種によって選任できる免許区分が異なります。
ニトリホールディングスの資料では、2,948人がどの免許区分を保有しているかは示されていません。
第一種衛生管理者は、労働者の健康障害を防ぎ、働きやすい職場環境を整えるための資格です。製造業や建設業を含むすべての業種で、衛生管理者として選任されることができます。主な仕事は、職場の巡視、作業環境の調査・改善、健康診断の実施管理、衛生教育、健康保持に必要な措置などです。

第二種衛生管理者は、労働者の健康を守り、職場の衛生環境を整えるための資格です。第一種より対応できる業種が限られ、情報通信業や金融・保険業、卸売・小売業などで衛生管理者として選任されます。主な仕事は、職場の巡視、健康診断の実施管理、作業環境の調査・改善、衛生教育などです。

資格者数を見る際のポイント
資格者数の増加は、社内で資格を持つ人材が増えていることを示しますが、この数字だけで各事業場の安全衛生体制を評価できるわけではありません。
資格保有者数と選任者数は異なる
今回公表されたのは、衛生管理者の「資格者数」です。
資格を保有していても、実際には衛生管理者として選任されていない場合があります。反対に、必要な選任人数は会社全体の従業員数ではなく、事業場ごとの人数や業種によって決まります。
そのため、2,948人という数値から、各事業場における選任状況や法定必要数に対する充足度を判断することはできません。
資格試験を支援する制度も整備
ニトリグループは、従業員の自己育成を支援する「教育マイレージ」を設けています。
自発的な学習や自己育成の成果に応じて付与されるポイントを利用し、検定・資格試験や社外セミナー、書籍購入などの補助を受けられる制度です。
ただし、衛生管理者資格の取得に同制度がどの程度利用されたのかや、制度が資格者数の増加に直接つながったのかは公表されていません。
さいごに
衛生管理者は、資格を取得するだけでなく、事業場での巡視や作業環境の改善を通じて、従業員の健康を守る役割を担います。
ニトリホールディングスが資格者数を「健康と安全」の指標として継続的に開示していることは、労働安全衛生を支える社内人材の厚みを確認する材料になります。
一定規模以上の事業場で選任が必要となる衛生管理者は、小売業や物流業に限らず、多くの企業で活用できる資格です。働く人の健康管理や職場環境の改善に携わりたい人にとって、実務につながる資格の一つといえるでしょう。
