E・Jホールディングス、技術士の有資格者が762人に|2031年5月期950人を目標
2026年8月26日、E・Jホールディングス株式会社は、2026年5月期の有価証券報告書を公表しました。
本記事では、E・Jホールディングスが公表した技術士有資格者数と今後の目標、資格取得支援に加え、技術士の21技術部門や試験制度について紹介します。

技術士有資格者は762人
E・Jホールディングスの2026年5月期有価証券報告書では、人的資本に関するKPIの一つとして「有資格者数(技術士)」が公表されています。
| 指標 | 2025年5月期実績 | 2026年5月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 技術士有資格者数 | 753人 | 762人 | 9人増 |
762人は、有価証券報告書が提出された2026年8月26日時点の人数ではなく、2026年5月期の実績として示された数値です。
また、9人増は有資格者数の前期との差を表しています。有価証券報告書では、新たな試験合格者数や採用・退職による増減、技術部門別の内訳までは公表されていません。
そのため、「2026年5月期に9人が新たに技術士試験へ合格した」という意味ではありません。
E・Jホールディングスとは
E・Jホールディングスは、グループの経営管理を行う純粋持株会社です。
連結子会社は、官公庁の公共事業などを対象に、企画・計画、設計、診断、施工監理、測量、地質調査などを手がける総合建設コンサルタント事業を展開しています。
したがって、公表された762人はE・Jホールディングス単体の従業員数ではなく、連結グループ全体における技術士有資格者数です。
2031年5月期に950人へ
E・Jホールディングスは、技術士有資格者数だけでなく、技術者正社員数についても中長期的な目標を設定しています。

技術者正社員の採用・育成と並行しながら、技術士資格を持つ専門人材を増やしていく計画であることが分かります。
目標達成には188人の増加が必要
2026年5月期の762人と比較すると、2028年5月期の目標達成には88人、2031年5月期の目標達成には188人の増加が必要です。
2031年5月期の目標は、2026年5月期実績から約24.7%増やす水準となります。
一方、技術者正社員数は2026年5月期の1,506人から、2028年5月期に1,600人、2031年5月期に1,800人へ増やす方針です。
有資格者数の増加には、既存社員の資格取得だけでなく、技術士を含む専門人材の採用や定着も影響します。ただし、有価証券報告書では目標達成に向けた増加人数の内訳までは示されていません。
講習会や模擬試験で取得を支援
E・Jグループでは、技術者の育成に向けて教育・研修制度を設けています。
代表的な取り組みが、主要子会社のエイト日本技術開発内に2021年6月に開校した企業内学校「EJアカデミー」です。
E・Jホールディングスの公式サイトによると、土質力学などの基礎講座、地震工学などの専門講座、行政・政策などの共通講座を設け、グループの技術力向上と人的資源の拡充を目指しています。
エイト日本技術開発のキャリアアップ制度では、資格取得に向けた講習会や模擬試験も実施しています。資格の取得・更新にかかる費用や交通費などの補助も設けており、支援対象資格には技術士と技術士補が含まれています。
ただし、これらは主にエイト日本技術開発が公表している制度です。有価証券報告書では、連結グループの全社で同じ資格取得支援が実施されているかまでは示されていません。
技術士は21部門に分かれる
技術士は、単一分野の技術者を示す資格ではなく、機械や建設、情報工学、環境など、専門分野に応じて21の技術部門に分かれています。
E・Jホールディングスが公表した762人も技術士全体の人数であり、技術部門別の内訳は公表されていません。
21技術部門の一覧
文部科学省によると、技術士は、科学技術に関する高度な専門知識や応用能力、豊富な実務経験、高い技術者倫理を備えた技術者を国が認定する資格です。
技術士には、次の21技術部門があります。

各技術部門には、さらに専門的な選択科目が設けられています。
例えば、建設部門には「土質及び基礎」「鋼構造及びコンクリート」「道路」「河川、砂防及び海岸・海洋」などがあり、応用理学部門には「地球物理及び地球化学」「地質」などが設けられています。
総合技術監理部門は、安全管理、社会環境との調和、経済性、情報管理、人的資源管理の5つの観点から、業務全体を管理する能力を扱う技術部門です。
第一次試験と第二次試験の違い
技術士試験は、第一次試験と第二次試験で構成されています。
日本技術士会が公表している第一次試験の科目では、基礎科目と適性科目に加え、総合技術監理部門を除く20技術部門から1部門を選んで専門科目を受験します。
第一次試験の合格者やJABEE認定課程の修了者などは「修習技術者」となり、日本技術士会へ登録することで“技術士補”になることができます。この段階では、まだ技術士ではありません。
第二次試験は、総合技術監理部門を含む21技術部門から1部門を選び、筆記試験と口頭試験を受験します。
所定の実務経験を満たして第二次試験に合格し、登録することで技術士を名乗ることができます。このため、制度上、「技術士有資格者」は第一次試験合格者や技術士補とは区別されます。
E・Jグループと関係の深い部門
E・Jグループは、企画・計画から設計、診断、施工監理までを担う総合建設コンサルタント事業を展開しています。
主要子会社であるエイト日本技術開発の事業領域と照らし合わせると、次のような技術部門との関係が考えられます。

これは事業領域から整理した代表的な関連例であり、E・Jホールディングスが公表した技術部門別の保有者数ではありません。
エイト日本技術開発の会社概要では、2026年6月1日時点の有資格者として「技術士463人」と「技術士(総合技術監理)96人」を別項目で公表しています。
ただし、両者の重複関係は明記されていません。また、エイト日本技術開発単体の数値であるため、連結グループの762人と単純に合算したり、直接比較したりすることはできません。
さいごに
今回の開示で注目したいのは、E・Jホールディングスが技術士有資格者数を、技術者正社員数と並ぶ人的資本のKPIに位置づけている点です。
目標達成には、試験対策による既存社員の資格取得だけでなく、専門人材の採用や定着、若手技術者の継続的な育成も重要になります。
技術士は部門によって専門領域が異なるため、有資格者の拡充は、E・Jグループが幅広い技術課題に対応できる体制づくりにもつながります。2031年5月期の950人という目標は、資格者数を増やすだけでなく、組織全体の専門性を高めるための計画といえるでしょう。
