第173回日商簿記1級の合格率は21.2%|2,076人が合格、2002年以降で最高
2026年8月12日、日本商工会議所は、第173回日商簿記検定試験1級の受験者データを公表しました。
本記事では、第173回日商簿記1級の試験結果を過去のデータと比較するとともに、公式講評から出題傾向を紹介します。


第173回は2,076人が合格
第173回日商簿記検定試験は、2026年6月14日に実施されました。
日本商工会議所が公表した受験者データによると、1級には11,959人が申し込み、9,806人が実際に受験しました。合格者は2,076人、合格率は21.2%です。

前回の第171回と比べると、実受験者数は718人減少した一方で、合格者数は472人増加し、合格率は6.0ポイント上昇しています。
合格率は2002年以降で最高
前回から6.0ポイント上昇
日商簿記1級の合格率は、試験回によって差があります。
直近の試験では、第170回が14.0%、第171回が15.2%でした。第173回の21.2%は、前回を6.0ポイント、前年6月に実施された第170回を7.2ポイントも上回っています。

これまでの最高を4.4ポイント更新
日本商工会議所が掲載している2002年以降のデータでは、これまで最も高かった合格率は、第165回の16.8%でした。
第173回はこれを4.4ポイント上回り、同サイトで確認できる範囲では初めて20%を超えました。
ただし、合格率は各回の出題内容や受験者の得点状況によって変動するため、今回の数字だけをもって、日商簿記1級そのものの難易度が下がったとは判断できません。
公式講評に見る出題傾向
工業簿記は平均点が高水準
日本商工会議所が公表した第173回の「出題の意図・講評」によると、工業簿記は全体的によくできており、平均点が非常に高く、満点の答案も多かったとされています。
原価計算についても、内部振替価格を用いた基本的な計算や、サブスクリプション型ビジネスを題材とした問題の前半部分は、比較的よくできていました。
一方、条件が変化する意思決定問題や、解約率を含む計算では正答率が下がったと講評されています。
商業簿記では初見の論点も出題
商業簿記では、顧客関連資産、企業結合に係る特定勘定、孫会社の連結、子会社従業員へのストック・オプションなど、過去の試験ではあまり見られなかった論点が出題されました。
日本商工会議所によると、新しい論点が多く難しいとの意見があったものの、採点結果はほかの試験回と大きく変わらず、得点できる箇所も多かったため、全体としてはよくできていたと評価されています。
会計学では、基本用語の穴埋め問題は正答率が良好だった一方、税効果会計に関する計算問題では正答率が低い傾向が見られました。
さいごに
第173回日商簿記1級は、合格率21.2%を記録し、日本商工会議所が公開する2002年以降のデータでは最も高い結果となりました。
公式講評では、工業簿記の平均点が非常に高かった一方、商業簿記では初見となる論点も出題されています。そのため、試験全体が単純に易しかったというより、基本的な知識を確実に身につけた受験者が、各科目で得点を積み重ねやすい構成だったと考えられます。
今回の結果からも、過去問題のパターンを覚えるだけでなく、会計処理の意味を理解し、幅広い論点に対応することが日商簿記1級の合格には重要だといえるでしょう。

