危険物乙4に落ちた後はどうする?科目別の勉強法と再受験を解説
危険物乙4の合格発表で自分の番号が見つからなかったり、試験結果通知書で不合格を知ったりすると、落ち込んでしまうかもしれません。
「なぜ落ちたのか」「次はどのように勉強すればよいのか」と悩んでいる人もいるでしょう。
危険物乙4は、3科目のうち一つでも合格基準に届かなければ不合格になります。そのため、すべての知識が不足していたとは限りません。
今回の結果から苦手な科目と失点した原因を整理し、勉強方法を見直せば、次回の合格を目指せます。
この記事では、危険物乙4に落ちた後に確認したいこと、不合格につながった原因、科目別の勉強法、再受験の流れを順番に解説します。

危険物乙4に落ちても恥ずかしくない
危険物乙4は受験資格がなく、幅広い人が挑戦できる国家資格です。
一方で、法令、物理・化学、性質・消火の3科目すべてに合格基準が設けられており、1科目でも基準を下回ると不合格になるため、決して対策せずに合格できる試験ではありません。
令和7年度は約68%が合格に届かなかった
一般財団法人消防試験研究センターによると、令和7年度の危険物取扱者乙種第4類の試験結果は次のとおりです。

※合格に届かなかった人数と割合は、消防試験研究センターが公表した受験者数と合格者数をもとに資格会議編集部が算出しています。
初回受験者と再受験者の内訳は公表されていませんが、年度全体では受験者の約3人に2人が合格に届いていません。
一度不合格になったからといって、必要以上に自分を責める必要はないでしょう。
前回の勉強は次回合格の土台になる
不合格は、それまで勉強した知識がすべて無駄になったという意味ではありません。
一度受験した人は、問題文の雰囲気、試験会場の流れ、2時間の使い方をすでに経験しています。初めて受験するときにはなかった情報を持っていることは、再受験における強みです。
また、試験結果通知書に記載された正答率を確認すれば、次回までに重点的に勉強すべき科目が分かります。
試験結果通知書を単なる不合格通知ではなく、次回の勉強配分を決めるための診断票として使いましょう。
危険物乙4に落ちた直後にすること
不合格が分かった直後に、慌てて新しい参考書を購入する必要はありません。
まずは、次の3つを行いましょう。
- 受験票と試験結果通知書を保管する
- 難しかった問題や迷った分野を記録する
- 次回の試験日と申込期限を確認する
試験内容の記憶は、時間がたつほど薄れていきます。
「指定数量の計算で迷った」「物質ごとの消火方法を混同した」など、覚えている範囲で構わないため、試験当日のうちに記録しておくと復習しやすくなります。
受験票や試験結果通知書には、電子申請の再受験手続きで使える資格判定コードが記載されています。次回の申込みが終わるまでは、捨てずに保管してください。
試験結果通知書から不合格の原因を確認する
消防試験研究センターは、受験者全員に合否と正答率を記載した試験結果通知書を送付しています。
通知書が届いたら、最初に60%未満だった科目を確認しましょう。

3科目すべてで60%以上が必要
危険物乙4は、35問の合計で60%以上正解すれば合格できる試験ではありません。
次の3科目で、それぞれ60%以上を取る必要があります。

例えば、法令と性質・消火で高得点を取っても、物理・化学が50%であれば不合格です。
合計では21問以上正解していても、正解が特定の科目に偏っている場合は合格できません。
50%台ならあと1問だった可能性がある
通常の問題数で受験した場合、物理・化学と性質・消火はそれぞれ10問です。
正答率が50%なら5問正解していたことになり、合格ラインの6問まであと1問だったと考えられます。
法令についても、正答率が53%なら15問中8問正解した計算となり、合格ラインの9問まであと1問です。
不合格という結果だけを見ると大きな差に感じますが、実際には1問の差だった可能性があります。
ただし、本番では問題との相性や読み違いも起こります。問題演習では60%ぎりぎりではなく、各科目で80%程度を安定して取れる状態を目標にすると安心です。
合格ラインを超えた科目も持ち越せない
前回の試験で60%以上を取った科目があっても、その成績を次回へ持ち越す制度はありません。
別の乙種危険物取扱者免状を持っているなど、公式の科目免除条件に該当しない限り、再受験でも法令、物理・化学、性質・消火の3科目を受験します。
ただし、3科目を同じ時間だけ勉強し直す必要はありません。
合格ラインを超えていた科目は短時間の復習で知識を維持し、60%未満だった科目へ多くの時間を使いましょう。
点数は持ち越せませんが、身につけた知識までゼロに戻るわけではありません。
すでに乙1・乙2・乙3・乙5・乙6のいずれかの免状を持っている場合は、法令と物理・化学が免除され、乙4の性質・消火のみを受験します。
危険物乙4で不合格につながりやすい原因
危険物乙4に落ちた原因を考えるときは、受験者の能力や性格ではなく、今回の勉強方法を振り返ることが大切です。
原因が複数当てはまる場合は、すべてを一度に変えるのではなく、最も影響が大きかったものから見直してください。
合計で60%取ればよいと思っていた
危険物乙4は、35問全体の合計点ではなく、法令、物理・化学、性質・消火の3科目それぞれで60%以上を取る必要があります。
例えば、法令が80%、物理・化学が50%、性質・消火が80%だった場合、35問全体では25問正解となり、正答率は約71%です。しかし、物理・化学が60%未満のため、試験結果は不合格となります。
この合格基準を正しく理解していないと、得意な法令や性質・消火ばかりを勉強し、苦手な物理・化学を後回しにしてしまうことがあります。得意科目で高得点を取っても、苦手科目の不足分を補うことはできません。
普段の問題演習でも、35問全体の正答率だけを見るのではなく、3科目に分けて記録しましょう。
| 科目 | 問題演習の正答率 |
|---|---|
| 法令 | 80% |
| 物理・化学 | 50% |
| 性質・消火 | 80% |
このように記録すると、合計点では見えにくかった弱点を把握できます。
テキストを読むことが中心になっていた
参考書を繰り返し読むと、用語や数字を覚えたように感じることがあります。しかし、文章を見て内容を理解できることと、5つの選択肢から正解を選べることは同じではありません。
危険物乙4では、似た数字や用語を入れ替えた選択肢のほか、「正しいもの」「誤っているもの」を選ばせる問題も出題されます。テキストの内容を見れば分かる状態でも、問題として聞かれると判断できないことがあります。
特に法令では、数字だけでなく、許可、認可、承認、届出などの違いを区別しなければなりません。性質・消火でも、物質名を覚えるだけでなく、その物質に適した貯蔵方法や消火方法まで結びつける必要があります。
テキストで1つの分野を学習したら、その分野に対応した問題を続けて解きましょう。問題を解くことで、覚えた知識がどのように出題されるのかを確認できます。
問題を間違えた場合は、解説を読むだけで終わらせず、参考書の該当部分へ戻ってください。「どの知識が足りなかったのか」まで確認すると、同じ分野の類題にも対応しやすくなります。
問題の答えだけを覚えていた
同じ問題集を何度も解いていると、問題文を読み終える前に正解番号を思い出すことがあります。
正解数が増えるため実力が伸びたように感じますが、正解番号だけを覚えている場合は、選択肢の順番や数字が変わると対応できません。
危険物乙4の勉強では、正しい選択肢を覚えるだけでなく、残りの選択肢がなぜ誤っているのかを確認することが重要です。
例えば、5つの選択肢から誤っているものを選ぶ問題で正解できた場合も、ほかの4つが正しい理由を説明できるか確認してみましょう。偶然正解した問題や、2つの選択肢で迷った問題も復習の対象です。
問題を解き直すときは、次の3段階で確認すると理解度を判断しやすくなります。
- 正解を選べる
- 正解になる理由を説明できる
- ほかの選択肢が誤っている理由を説明できる
3段階目まで確認できれば、表現を変えた問題にも対応しやすくなります。反対に、正解していても理由を説明できなかった問題は、まだ理解が不十分な可能性があります。
苦手科目を後回しにしていた
得意な科目は問題を解きやすく、正解数も増えるため、勉強が進んでいる感覚を得られます。その一方で、計算問題や覚えにくい法令など、苦手な分野を後回しにしてしまうことがあります。
しかし、危険物乙4では3科目すべてに合格基準があるため、苦手科目を避けたまま合格することは難しいでしょう。
特に物理・化学と性質・消火は、それぞれ10問で構成されています。1問が正答率10ポイントに相当するため、苦手なテーマを丸ごと捨てると、60%を安定して超えることが難しくなります。
苦手科目に長時間取り組むのが負担になる場合は、「毎日の勉強を苦手科目の10問から始める」「計算問題を1日2問だけ解く」など、取り組む量を小さく分けてください。
また、試験結果通知書で1科目だけ60%未満だった場合は、その科目を中心に勉強しながら、合格ラインを超えていた科目も短時間の問題演習で維持します。
すべての科目を同じ時間だけ勉強するのではなく、正答率に応じて時間配分を変えることが大切です。苦手科目を避けずに少しずつ補えば、次回の試験で必要な1問を取れる可能性も高まるでしょう。
科目別に勉強方法を立て直そう
試験結果通知書で60%未満だった科目が分かったら、その科目に合った方法で勉強を立て直します。
次の表を、最初に取り組む内容を決めるための再受験カルテとして活用してください。

法令が60%未満だった場合
法令では、数字だけを単独で覚えるのではなく、条件と組み合わせて整理しましょう。
特に確認したいのは、次のような分野です。
- 指定数量と倍数の計算
- 製造所等の区分
- 許可、認可、届出の違い
- 危険物保安監督者などの役割
- 貯蔵・取扱いに関する基準
「誰が」「いつ」「どこへ」「何をするのか」を一組にして覚えると、似た選択肢を区別しやすくなります。
間違えた問題は、正しい選択肢だけでなく、誤っている選択肢を正しい文章へ直してみましょう。数字や担当者だけを変えた問題にも対応しやすくなります。
物理・化学が60%未満だった場合
物理・化学では、計算問題だけでなく、燃焼、静電気、引火点、発火点、密度、比重などの基礎知識も問われます。
まずは、間違えた原因を次のように分けてください。
- 用語の意味を覚えていなかった
- 似た用語を混同した
- 公式を覚えていなかった
- 公式は分かったが計算できなかった
- 単位や問題文を読み違えた
計算問題は、解説を読んで理解しただけで終わらせず、数値を変えた問題を自分の手で解くことが大切です。
物理・化学は10問しかないため、1問の影響が大きい科目です。苦手な計算問題をすべて捨てるのではなく、基本的な問題から少しずつ解ける範囲を増やしましょう。
性質・消火が60%未満だった場合
性質・消火では、ガソリン、灯油、軽油、アルコール類などの特徴を混同しないことが重要です。
次の項目を横並びの表にすると、違いを比較しやすくなります。
- 品名
- 水溶性の有無
- 比重
- 引火点
- 危険性
- 貯蔵・取扱方法
- 適切な消火方法
単語だけを覚えるのではなく、「なぜその貯蔵方法が必要なのか」「なぜその消火方法が適しているのか」まで結びつけましょう。
似た物質を1つずつ覚えるより、2~3種類を並べて違いを確認する方が記憶に残りやすくなります。
2科目以上が60%未満だった場合
2科目以上が60%未満だった場合は、最も正答率が低かった科目を優先します。
例えば、法令40%、物理・化学50%、性質・消火70%だった場合は、学習時間の半分程度を法令に使い、残りを物理・化学と性質・消火へ振り分けます。
最初から参考書をすべて精読し直すより、問題を解き、分からなかった箇所だけテキストへ戻る方法が効率的です。
週に1回程度は35問を通して解き、重点科目以外の知識が抜けていないかも確認しましょう。
消防試験研究センターは、過去に出題した問題の一部を公開しています。現在使っている問題集と併せて、出題形式の確認に活用できます。
次回合格を目指す4週間の勉強計画
再受験まで4週間ある場合は、次のように勉強を進めます。
すでに一度勉強した人を想定した一例であり、必要な期間は前回の正答率や確保できる勉強時間によって異なります。
| 期間 | 取り組むこと | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 通知書を確認し、弱点科目の問題を解く | 間違えた原因を分類する |
| 2週目 | 弱点科目を分野ごとに復習する | 誤った選択肢の理由を説明する |
| 3週目 | 3科目を混ぜて問題演習を行う | すべての科目で70%以上を取る |
| 4週目 | 35問を本番形式で解く | 各科目で80%前後を安定させる |
合格基準は60%ですが、練習でも毎回60%前後では、本番の読み違いや苦手分野の出題によって基準を下回る可能性があります。
80%前後は公式の合格基準ではありませんが、本番での得点の揺れに備えるための目標として設定しています。
問題演習では、正解数だけでなく、間違えた理由も次の4つに分けて記録しましょう。
| 間違えた理由 | 見直し方 |
|---|---|
| 知識がなかった | テキストの該当部分へ戻る |
| 数字や用語を混同した | 比較表を作る |
| 計算手順が分からなかった | 同じ形式の問題を解き直す |
| 問題文を読み違えた | 否定表現や条件に印を付ける |
偶然正解した問題も、説明できなければ復習対象に含めてください。
「何時間勉強したか」だけでなく、「同じ間違いを減らせたか」を確認することが大切です。
危険物乙4を再受験する方法
危険物乙4は、一度不合格になっても再受験できます。
受験できる回数に上限はありませんが、試験日程や申込期限は都道府県によって異なります。
次回日程と他県の試験を確認する
危険物取扱者試験は、中央試験センターと各道府県支部で実施されています。
居住地以外の都道府県でも受験できるため、近隣の都道府県を含めて日程を確認できます。ただし、試験日だけでなく申込受付期間や会場までの移動時間も確認してください。
最新の日程は、消防試験研究センターの試験日程検索から確認できます。
知識が残っているうちに再受験日を決めると勉強を再開しやすくなりますが、焦って申し込む必要はありません。各科目の正答率が安定するまでに必要な期間も考えて選びましょう。
資格判定コードで電子申請できる
過去3年以内に受験して不合格だった場合は、受験票または試験結果通知書に記載された資格判定コードを使って、電子申請の「再受験」から申し込めます。
再受験機能を使うと、前回の受験データを利用できるため、入力項目の一部を省略できます。
受験票や結果通知書を紛失し、資格判定コードが分からない場合でも、通常の新規申請から申し込むことは可能です。
詳しい条件は、消防試験研究センターの電子申請に関するQ&Aを確認してください。
再受験でも5,300円が必要
危険物取扱者試験の乙種の試験手数料は、5,300円です。
前回不合格だった場合も、再受験時には改めて試験手数料を支払います。電子申請では、決済方法に応じた払込手数料も必要です。詳しくは危険物取扱者試験の試験手数料へ
試験手数料は変更される場合があるため、申込み前に最新情報を確認しましょう。
まとめ
危険物乙4に落ちた後は、不合格という結果だけを見るのではなく、試験結果通知書に記載された科目別の正答率を確認することが大切です。
1科目だけが50%台なら、間違えやすい分野を絞って、あと1問を取るための対策を進めます。2科目以上が60%未満だった場合は、最も正答率の低い科目を優先しながら、3科目を並行して復習しましょう。
すでに一度学習した内容まで、すべて最初からやり直す必要はありません。今回の正答率や試験中に迷った内容を手がかりにすれば、次回までに取り組むべき内容を絞り込めます。
今回見つかった弱点を一つずつ減らし、次回は3科目すべてで合格基準を超えられる状態を目指しましょう。
危険物乙4に落ちた人のよくある質問
- 2回・3回と落ちたら向いていないのでしょうか?
-
受験回数だけで、危険物乙4に向いていないとは判断できません。
同じ科目が毎回60%未満になる場合は、勉強時間を増やすだけでなく、教材や問題の解き方を見直しましょう。
正解番号を覚える勉強から、選択肢の理由を説明する勉強へ変えるなど、方法を変えることが重要です。
- 危険物乙4は何回まで再受験できますか?
-
受験回数に上限はありません。
消防試験研究センターの支部案内でも、県内外の在住を問わず何回でも受験できると案内されています。
ただし、受験するたびに申込みと試験手数料の支払いが必要です。
- 60%を超えた科目は次回に持ち越せますか?
-
不合格だった試験の科目成績は、次回へ持ち越せません。
別の乙種危険物取扱者免状を持っているなど、公式の科目免除条件に該当しない限り、再受験でも3科目を受けます。
合格ラインを超えていた科目も完全に放置せず、短時間の問題演習で知識を維持しましょう。
- あと1問で落ちた場合も全科目を勉強し直しますか?
-
すべての科目を同じ時間だけ勉強し直す必要はありません。
60%未満だった科目を優先し、ほかの科目は知識を維持するための問題演習を行います。
ただし、前回60%以上だった科目も次回は受験するため、まったく勉強しない状態にはしないでください。
- 試験結果通知書で間違えた問題まで分かりますか?
-
試験結果通知書には合否と正答率が記載されますが、どの問題を間違えたかまでは確認できません。
そのため、試験直後に迷った問題や分からなかった分野を記録しておくことが重要です。
- 会社にはどのように報告すればよいですか?
-
会社から資格取得を求められている場合は、不合格だった事実だけでなく、次の対応も併せて伝えるとよいでしょう。
例えば、「物理・化学が50%だったため、次回は同科目を重点的に勉強し、○月の試験を受験する予定です」のように伝えます。
原因と次回の予定を簡潔に報告すれば、再受験へ向けて行動していることも伝わります。
