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手話検定と手話技能検定の違いは?仕事内容・難易度・どっちがいいのか比較

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Yoshiki

手話を学べる代表的な検定には、「全国手話検定試験」「手話技能検定」があります。

名称が似ているため、「何が違うのか」「初心者はどちらを受ければよいのか」と迷っている人も多いでしょう。

結論からいうと、ろう者との実際の会話力を身につけたい人には全国手話検定試験、指文字や基本単語から少しずつ学びたい人には手話技能検定が向いています。

本記事では、全国手話検定試験と手話技能検定の違いを、試験内容、級、難易度、受験料、仕事への活かし方などから比較します。

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※なお、本記事では、一般に「手話検定」と呼ばれることがある全国手話検定試験を「手話検定」と表記します。

手話検定と手話技能検定の違い

手話検定と手話技能検定は、どちらも手話の習得度を確認できる検定ですが、特に重視する能力や試験方法が異なります。

主な違いは、次のとおりです。

全国手話検定試験と手話技能検定の級や試験内容、自宅受験の違いを比較した画像
全国手話検定試験と手話技能検定の比較 ©︎資格会議メディア

違い1.評価される手話力が異なる

全国手話検定試験は、手話の知識だけでなく、ろう者と手話でどの程度コミュニケーションできるかを評価する検定です。

テーマに沿って手話で話すだけでなく、面接委員からの質問を読み取り、手話で答える力も審査されます。

一方、手話技能検定は、全国共通の基準によって手話技能を確認する検定です。指文字、単語、例文などが級ごとに設定されており、学習成果を段階的に確認できます。

手話技能検定の公式サイトでは、手話通訳試験ではなく、手話を一つの言語として扱い、その技能を確認する試験と説明されています。

つまり、手話検定は相手とやり取りする力、手話技能検定は語彙や読み取りを含む手話技能を段階的に確認しやすい点が特徴です。

違い2.学習を始められる級が異なる

全国手話検定試験は、5級から1級までの6段階です。

学習歴の目安基本単語数
5級6カ月約300~400語
4級1年約800~900語
3級1年半約1,200~1,400語
2級2年約2,100語
準1級2年半約2,600語
1級3年約3,500語

最も低い5級でも、基本単語や短文の読み取りに加えて、自己紹介をテーマとしたスピーチや会話が行われます。

手話技能検定は、7級から1級までの7段階です。

学習期間・時間の目安単語・例文数
7級1カ月・8時間程度基本指文字50音
6級3カ月・24時間程度約100語
5級6カ月・40時間程度約200語・基本例文約30
4級1年・80時間程度約500語・基本例文約100
3級2年・160時間程度約1,000語・基本例文約300
2級3年・240時間程度約2,000語・例文数制限なし
1級3年・240時間以上単語・例文数制限なし

手話技能検定には、基本指文字50音を対象とする7級があります。

6級も約100語が試験範囲となるため、手話を初めて学ぶ人が小さな目標から挑戦しやすい構成です。

なお、手話技能検定では、各級の試験範囲に下位級の内容も含まれます。

違い3.手話を表現する試験の形式が異なる

全国手話検定試験では、5級から1級までのすべての級で、手話によるスピーチと会話が行われます。

5級から3級までは、基本単語や短文の読み取りに加えて、テーマに沿ったスピーチと面接委員との会話が中心です。

あらかじめ覚えた文章を表現するだけでなく、質問の内容を読み取り、その場で手話で応答する必要があります。

一方、手話技能検定の3~6級は、映像で流れる手話を読み取り、4つの選択肢から答える試験です。読み取り能力が中心となり、受験者自身が手話を表現する試験はありません。

7級は、紙面に描かれた指文字のイラストを読み取り、解答用紙へ答えを記入する方式です。

手話技能検定で表現能力が審査されるのは、1級と2級です。スピーチと課題文の手話表現を撮影し、動画ファイルを提出します。

全国手話検定試験のように、面接委員とリアルタイムで会話する形式ではありません。

違い4.上級の試験内容と受験条件が異なる

全国手話検定試験では、2級、準1級、1級になると、手話の読み取りや会話に加えて筆記試験も行われます。

筆記試験では、次のような分野が扱われます。

  • 聴覚障害者とのコミュニケーション手段
  • 耳の仕組みと障害
  • 聴覚障害者の暮らし
  • ろう者の歴史
  • 聴覚障害者に関係する福祉制度
  • 手話の基礎知識

1級では、選択式ではなく、600~800字程度の小論文が課されます。

そのため、上級になるほど手話表現だけでなく、聴覚障害や福祉に関する知識も必要です。

手話技能検定の1級と2級は、スピーチと課題文表現による実技試験です。

また、2級を受けるには手話技能検定3級、1級を受けるには手話技能検定2級への合格が必要です。他団体が実施する手話試験の合格では代用できません。

全国手話検定試験と異なり、手話技能検定の上級は、下位級から順番に合格する必要がある点にも注意しましょう。

違い5.受験方法・受験機会・受験料が異なる

全国手話検定試験の会場試験は年1回、秋に実施され、インターネット試験も年1回行われています。

2026年度のインターネット試験は2027年2月に実施予定ですが、2026年9月10日時点では詳しい試験方式や受験料が公表されていません

直近のインターネット試験では、読み取り・筆記試験をパソコンで受験し、表現・会話試験にはZoomが使用されました。

2026年度の会場試験における一般受験料は、次のとおりです。

一般受験料
5級4,700円
4級5,300円
3級6,000円
2級8,000円
準1級9,300円
1級10,600円
出典:2026年度全国手話検定試験会場試験案内

手話技能検定は、級によって受験方法が異なります。

  • 7級:随時在宅試験
  • 3~6級:会場試験またはWeb試験
  • 1・2級:動画を提出するネット実技試験

2026年の受験料は、次のとおりです。

会場・在宅試験Web・ネット試験
7級2,500円
6級5,500円4,500円
5級6,500円5,500円
4級7,000円6,000円
3級7,500円6,500円
2級9,500円
1級11,500円

3~6級は、Web試験の方が会場試験より1,000円安く設定されており、7級は、受験料とは別に解答用紙を返送する費用が必要です。

今後、試験方式や受験料は変更される可能性があるため、申し込む前に公式サイトを確認してください。

手話検定と手話技能検定はどちらが難しい?

手話検定と手話技能検定は、同じ級でも試験範囲や評価方法が異なります。そのため、どちらが難しいかは一概には決められません

ここでは、入門級、同じ5級、上級、合格率の4つから難易度を比較します。

両検定の級に対応関係はない

全国手話検定試験と手話技能検定には、公式な級の対応関係はありません

例えば、全国手話検定試験5級は約300~400語が対象となり、読み取り、スピーチ、会話が行われます。

手話技能検定5級は約200語と基本例文約30が対象で、試験は映像による読み取りが中心です。

同じ5級でも、対象となる単語数だけでなく、試される能力が異なります。「全国手話検定試験3級と手話技能検定3級は同じレベル」のように、級の数字だけで判断しないようにしましょう。

初心者は手話技能検定7級から始めやすい

手話技能検定7級は、動きのない基本指文字50音を対象とする30分間の記述式試験です。

学習期間は1カ月、学習時間は8時間程度が目安とされており、個人受験は自宅で随時申し込めます。

一方、全国手話検定試験で最も低い5級は、約300~400語の読み取りに加えて、スピーチと会話も行われます。

したがって、手話をまったく学んだことがない人にとっては、手話技能検定7級の方が小さな範囲から挑戦しやすいでしょう。

上級は得意な能力によって難しさが変わる

全国手話検定試験1級では、小論文、ストーリーの読み取り、スピーチ、面接委員との会話が行われます。

手話だけでなく、聴覚障害や福祉制度なども含めて対策しなければなりません。また、面接委員の質問にその場で答える対応力も必要です。

手話技能検定1級は、単語数や例文数に制限がなく、スピーチと課題文表現を撮影して提出します。

試験方法から考えると、知識とリアルタイムの会話が苦手な人は全国手話検定試験、正確な手話表現や撮影形式が苦手な人は手話技能検定を難しく感じる可能性があります。

上級についても、どちらか一方が明確に難しいのではなく、得意な能力によって感じ方が変わるでしょう。

合格率だけでは難易度を比較できない

手話技能検定の公式サイトで公表されている2024年第60回試験の合格率は、次のとおりです。

合格率
6級91.5%
5級96.9%
4級83.5%
3級70.3%
2級61.2%
1級50.0%

7級の合格率は、同ページに掲載されていません。

全国手話検定試験の公式サイトでは、級別の合格者数と合格者の受験番号は公表されていますが、受験者数を含む合格率は確認できません

片方の検定だけに合格率があるため、両検定を同じ条件で比較することはできません

合格率の数字だけではなく、自分が受ける級の試験範囲と試験形式から難易度を判断することが大切です。

手話検定と手話技能検定を活かせる仕事・仕事内容

手話検定と手話技能検定は、手話の学習成果を確認する検定です。

ここでは、検定で身につけた手話を活かせる可能性がある仕事と、その仕事内容を紹介します。

検定によって就ける仕事が分かれるわけではない

手話検定と手話技能検定のどちらを取得した場合でも、美容師免許と理容師免許のように、取得した資格によって行える業務が分かれるわけではありません

仕事で手話を活かす場合は、介護、福祉、医療事務、教育、接客など、本来の仕事に手話によるコミュニケーションを加える形が中心です。

教員になるには教員免許、自治体職員になるには採用試験など、職種ごとの要件を別に満たす必要があります

手話を活かせる主な仕事と仕事内容

手話を活かせる可能性がある主な仕事は、次のとおりです。

手話技能検定の公式な級別水準にも、店や窓口での接客、道案内、会社、学校、病院などでの会話が示されています。

ただし、検定に合格しただけで、専門的な医療通訳や授業の通訳を担当できるとは限りません。職場で求められる手話レベルや担当できる業務は、勤務先によって異なります。

また、聴覚障害のある人が全員手話を使うとは限りません。相手に応じて、手話だけでなく筆談文字表示なども使い分けることが大切です。

仕事以外では、地域の手話サークルや福祉イベント、ろう者との交流活動などでも、学んだ手話を活かすことはできます。

手話通訳者・手話通訳士を目指す場合は別の制度を確認する

手話検定や手話技能検定に合格しても、手話通訳士の資格や、自治体の登録手話通訳者としての登録を得られるわけではありません。

手話通訳士になるには、厚生労働大臣の認定を受けた社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施する「手話通訳技能認定試験」に合格し、手話通訳士として登録する必要があります

試験では、障害者福祉、聴覚障害、手話通訳、国語に関する学科試験に加えて、次の実技試験が行われます。

  • 音声による出題を手話で表す聞取り通訳
  • 手話による出題を音声で表す読取り通訳

自治体の登録手話通訳者を目指す場合も、養成課程、試験、登録などの要件が設けられていることがあります。詳しい要件は自治体によって異なるため、活動を希望する地域の制度を確認してください。

手話検定と手話技能検定は、こうした専門的な通訳を目指す前の学習目標として活用できます。

手話検定と手話技能検定はどっちがいい?

どっちがいいかは、手話を学ぶ目的と現在のレベルによって異なります。

試験の受けやすさだけではなく、会話、読み取り、語彙、表現のうち、どの能力を確認したいかで選びましょう。

全国手話検定試験がおすすめの人

全国手話検定試験は、次のような人に向いています。

  • ろう者と実際に会話できるようになりたい人
  • 手話教室や手話サークルで会話を練習している人
  • スピーチと質疑応答の両方を経験したい人
  • 相手の質問にその場で答える力を確認したい人
  • 上級で聴覚障害や福祉制度についても学びたい人

最も低い5級から会話試験があるため、簡単な自己紹介や日常的な質問への受け答えを練習している人に適しています。

試験対策では、テーマに沿ったスピーチを準備するだけでなく、内容に関する質問へ答える練習も必要です。スピーチと質疑応答をセットで練習すると、実際の会話を意識した対策ができます。

ただし、用意した文章の丸暗記だけでは対応しにくいため、手話教室やサークルなどで質問の内容を変えながら練習するとよいでしょう。

覚えた手話を実際の会話につなげたい人は、全国手話検定試験を第一候補にするのがおすすめです。

手話技能検定がおすすめの人

手話技能検定は、次のような人に向いています。

  • 手話を初めて学ぶ人
  • 指文字から勉強を始めたい人
  • 語彙数を目安に少しずつ学習したい人
  • まずは映像の手話を読み取る力を確認したい人
  • 自宅やWebで受験したい人

7級は基本指文字50音、6級は約100語が対象です。学習範囲が細かく分けられているため、手話を学び始めた人でも現在のレベルに合う級を選べます

公式の出題範囲を確認しながら、指文字、単語、例文と順番に覚えていけば、次に学ぶ内容も明確になります。

小さな目標を設定しながら手話を学びたい人は、手話技能検定7級または6級から始めるとよいでしょう。

迷っている初心者は現在のレベルから選ぶ

初心者は、現在の学習状況と目標から受験する検定を選びましょう。

手話の学習経験や目標別に適した手話検定と級をまとめた画像
現在の状況・目標別に選ぶ手話検定 ©︎資格会議メディア

完全な初心者が、最初から全国手話検定試験5級を受けなければならないわけではありません。

まず手話技能検定7級や6級で指文字と基本単語を学び、その後、全国手話検定試験5級で会話力を確認する方法もあります。

最初から両方を受験する必要はないので、まずは現在のレベルに合う検定を選び、確認したい能力が増えた段階でもう一方を検討するとよいでしょう。

まとめ

手話検定と手話技能検定は、どちらも手話の習得度を確認できる検定ですが、評価の中心と試験形式が異なります。

全国手話検定試験は、すべての級でスピーチと会話が行われ、ろう者とのコミュニケーション能力を確認でき、手話技能検定は、基本指文字50音を対象とする7級から始められ、語彙や読み取り、表現能力を段階的に確認できます。

ろう者との会話を重視するなら全国手話検定試験、手話を基礎から段階的に学ぶなら手話技能検定が選びやすいでしょう。

級の数字や合格率だけで判断せず、現在の手話レベルと学習目的に合った検定を選んでください

手話検定と手話技能検定に関するよくある質問

Q
手話検定と手話技能検定は国家資格ですか?

どちらも国家資格ではなく、それぞれの実施団体が認定する検定試験です。合格しても、特定の業務を独占的に行えるようになる資格ではありません。

Q
履歴書には書けますか?

どちらも履歴書の資格欄に記載できます。

「全国手話検定試験3級」「手話技能検定3級」のように、略称ではなく正式名称と取得した級を記載しましょう。

ただし、採用でどの程度評価されるかは、企業や仕事内容、取得級によって異なります。

Q
両方取得する意味はありますか?

両方を取得する意味はあります。

手話技能検定で指文字、語彙、読み取りなどの学習成果を確認し、全国手話検定試験でスピーチやリアルタイムの会話力を確認できます。

ただし、最初から両方の取得を目指す必要はありません。自分の目的に合う検定から受験し、必要性を感じた段階でもう一方を検討するとよいでしょう。

参考資料

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