消防設備士(乙種第3類)で就職できる仕事とは?年収・将来性まで徹底解説
消防設備士(乙種第3類)は、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備などの整備・点検に関わる国家資格です。
ガス系消火設備や粉末消火設備の点検・整備で活かせる資格と言われていますが、「就職や転職にどう活かせるのか」「年収はどの程度か」「将来も需要があるのか」と疑問を持つ人は少なくありません。
本記事では、消防設備士(乙種第3類)で就職できる仕事の具体像、年収水準、将来性までをわかりやすく解説します。

消防設備士(乙種第3類)とはどんな資格?
消防設備士とは、建物に設置される消防用設備の工事・整備・点検に関わる国家資格です。消防用設備には、消火器、自動火災報知設備、スプリンクラー設備、泡消火設備、避難器具などがあり、火災時の初期消火や避難、安全管理を支える役割があります。

乙種第3類は、ガス系消火設備や粉末消火設備の点検・整備を扱う区分です。対象となる設備には、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備などがあります。
第1類が水系消火設備、第2類が泡消火設備を扱うのに対し、第3類はガスや粉末を使って火を消す設備を扱う点が特徴です。電気室、通信機械室、サーバールーム、機械室、駐車場、工場、危険物施設などで使われることがあります。
特に、データセンターや電気設備が多い施設では、火災を抑えるだけでなく、水損を避けることも重要です。そのため、第3類の対象設備は、重要設備を守るための専門性が高い消防設備といえます。
試験は筆記試験と実技試験で構成され、難易度は乙種の中ではやや高めです。受験資格はないため、学歴や実務経験に関係なく受験できます。
取得すると、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備の点検・整備、貯蔵容器や配管、噴射ヘッド、起動装置、制御盤、安全装置の確認、点検報告書の作成、不具合時の修繕提案などで知識を活かせます。
消防設備士(乙種第3類)で就職できる主な仕事
消防設備士(乙種第3類)は、ガス系消火設備や粉末消火設備の点検・整備に関する資格として、消防設備の保守点検や、工場・データセンターの設備管理などで活かされます。
ここでは、代表的な職種を紹介します。
1, 消防設備会社の点検・整備スタッフ
消防設備会社の点検・整備スタッフは、建物に設置されている消防用設備が正常に使える状態かを確認する仕事です。
消防設備士(乙種第3類)が活きる理由は、ガス系消火設備や粉末消火設備の構造、機能、点検項目を専門的に理解できるためです。
第3類の設備は、火災時に確実に消火剤を放出するだけでなく、誤放出や安全管理にも注意が必要です。特に不活性ガス消火設備は、人がいる空間での安全確認も重要になるため、設備の仕組みを理解した点検が求められます。
年収は、未経験の点検スタッフで280万〜380万円程度、経験者で350万〜500万円程度が目安です。乙種第3類に加えて、乙種第6類、乙種第4類、甲種第4類、消防設備点検資格者などを取得すると、担当できる設備が広がり、500万〜650万円程度を目指せる場合があります。
2, ビルメンテナンス・設備管理スタッフ
ビルメンテナンスや設備管理スタッフは、建物内の電気、空調、給排水、消防設備、防犯設備、エレベーターなどを管理する仕事です。
消防設備については、点検業者の立ち会い、点検結果の確認、不具合の一次対応、修繕手配、オーナーやテナントへの説明などを担当します。
消防設備士(乙種第3類)が活きる理由は、第3類設備が重要設備を守る役割を持つことが多いためです。
電気室や機械室、通信設備、サーバールームでは、水による消火が適さない場合があります。設備管理側に第3類設備の知識があると、外部業者の点検結果を正しく読み取り、必要な修繕や更新を判断しやすくなります。
年収は、ビルメンテナンス・設備管理スタッフで300万〜500万円程度が目安です。第二種電気工事士、危険物取扱者、ボイラー技士、建築物環境衛生管理技術者、消防設備点検資格者などと組み合わせると、500万〜700万円程度を目指せる場合があります。
3, 防災設備管理担当
データセンター、工場、危険物施設、研究施設、物流施設などでは、火災時に設備停止や水損を避けながら初期対応を行う必要があります。
防災設備管理担当は、消防設備点検の立ち会い、点検結果の確認、不具合対応、設備更新、消防署対応、社内報告、安全管理部門との調整などを担当します。
消防設備士(乙種第3類)が活きる理由は、第3類設備が施設の事業継続や安全管理に関わる設備だからです。
データセンターであればサーバー、工場であれば生産設備、研究施設であれば高額な実験機器など、守る対象が重要であるほど、消防設備の管理品質も問われます。
年収は、データセンター・工場・危険物施設の防災設備管理担当で350万〜650万円程度が目安です。設備管理経験、安全衛生、危険物取扱者、第二種電気工事士、消防設備点検資格者などを組み合わせると、500万〜800万円程度を目指せる場合があります。
4, 電気設備会社の保守担当
電気設備会社や弱電設備会社では、建物内の電気設備、警報設備、制御盤、監視設備、通信設備などの保守に関わることがあります。
消防設備士(乙種第3類)が活きる理由は、消火設備と電気制御の接点を理解できるためです。ガス系消火設備や粉末消火設備は、消火剤を放出する設備であると同時に、火災信号、警報、起動、制御、非常停止などの仕組みと結びついています。電気設備の知識に消防設備の視点を加えることで、保守担当としての対応範囲が広がります。
年収は、電気設備会社や弱電設備会社の保守担当で350万〜600万円程度が目安です。第二種電気工事士、第一種電気工事士、甲種第4類、電気工事施工管理技士などを組み合わせると、600万〜800万円程度を目指せる場合があります。
5, 防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポート
防災設備メーカーや専門商社では、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、消火剤、貯蔵容器、容器弁、噴射ヘッド、制御盤、起動装置、配管部材などを扱います。
営業職であれば、製品の提案をしますが、技術サポート職であれば、製品仕様の説明、問い合わせ対応、点検時の確認事項の案内、更新提案などを行います。
消防設備士(乙種第3類)が活きる理由は、第3類設備の仕組みや点検の考え方を理解したうえで、顧客に説明できるためです。
単に製品を販売するだけでなく、どの設備に使えるのか、点検時に何を確認するのか、消火剤や容器の交換が必要になるのはどのような場合かを説明できると、営業や技術サポートの説得力が高まります。
年収は、防災設備メーカーや専門商社の営業・技術サポートで400万〜700万円程度が目安です。法人営業経験、消防設備の知識、設備管理経験、メーカーでの技術対応経験がある人は、700万〜900万円程度を目指せる場合があります。
消防設備士(乙種第3類)の年収目安
消防設備士(乙種第3類)の年収は、勤務先、担当業務、地域、経験年数、保有資格、夜間・休日対応の有無によって変わります。
乙種第3類は、ガス系消火設備や粉末消火設備に特化した資格であり、単独で高年収を狙うというよりも、消防設備点検、設備管理、電気設備、施設管理の仕事の中で活かす資格です。
| 職種・業界 | 年収目安 |
|---|---|
| 未経験・点検補助スタッフ | 280万〜380万円 |
| 消防設備点検・整備スタッフ | 300万〜500万円 |
| ビルメンテナンス・設備管理スタッフ | 300万〜500万円 |
| データセンター・工場・危険物施設の防災設備管理担当 | 350万〜650万円 |
| 電気設備会社・弱電設備会社の保守担当 | 350万〜600万円 |
| 防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポート | 400万〜700万円 |
| 消防設備会社・設備管理会社の現場リーダー | 450万〜650万円 |
| 管理職・責任者クラス | 600万〜800万円 |
年収を上げるには、乙種第3類に加えて、甲種第3類、甲種第4類、乙種第6類、消防設備点検資格者、第二種電気工事士、危険物取扱者、建築物環境衛生管理技術者などを組み合わせるとよいでしょう。
ガス系消火設備や粉末消火設備だけでなく、警報設備、消火器、電気設備、建物管理まで理解できる人材は、現場でも転職市場でも評価されやすくなります。
消防設備士(乙種第3類)の将来性
消防設備士(乙種第3類)の将来性は、建物の防災需要、法定点検、既存設備の老朽化、データセンターや工場の増加、重要設備の保護と関係しています。
ガス系消火設備や粉末消火設備は、水による消火が適さない場所で重要性を持つ設備です。
電気室、通信機械室、サーバールーム、研究施設、危険物施設、工場設備などでは、水損や設備停止を避けながら火災を抑えることが求められます。そのため、第3類設備の知識は、消防設備の中でも専門性のある分野として評価されます。
AI代替可能性については、一部業務が効率化されることはありますが、仕事がAIに完全に置き換わる可能性は低いと考えられます。
現場で消火剤や貯蔵容器の状態、配管の状態、起動装置の異常、防護区画の状況、建物や施設の使われ方を確認するには、人の専門知識と経験が必要です。
特にガス系消火設備は、消火性能だけでなく、放出時の安全管理も重要になるため、現場での判断が欠かせません。
ただし、将来性を高めるには、乙種第3類だけで止まらないことが大切です。
甲種第3類で工事まで対応できるようにする、甲種第4類で自動火災報知設備に対応する、乙種第6類で消火器の知識を補う、消防設備点検資格者で点検業務全体への理解を深めるなど、関連資格を広げることで仕事の幅は大きくなります。
消防設備士(乙種第3類)はこんな人におすすめ
消防設備士(乙種第3類)は、ガス系消火設備や粉末消火設備に関心がある人におすすめの資格です。
特に、消防設備会社、ビルメンテナンス会社、設備管理会社、データセンター、工場、危険物施設、防災設備メーカーで働きたい人に向いています。
まとめ
消防設備士(乙種第3類)は、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備などの整備・点検に関わる国家資格です。
消防設備会社の点検・整備スタッフ、ビルメンテナンス・設備管理スタッフ、データセンター・工場・危険物施設の防災設備管理担当、電気設備会社・弱電設備会社の保守担当、防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポートなどで活かせます。
取得後は、甲種第3類、甲種第4類、乙種第6類、消防設備点検資格者、第二種電気工事士などへ広げることで、より安定したキャリアにつなげやすくなります。
よくある質問(FAQ)
- Q1, 就職や転職に有利な資格ですか?
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消防設備士(乙種第3類)は、消防設備会社、ビルメンテナンス会社、設備管理会社、データセンター、工場、防災設備メーカーなどへの就職・転職で有利になることがあります。
特に、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備の点検・整備に関わる求人では評価されやすい資格です。
- Q2, 年収はどのくらいですか?
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未経験の場合は280万〜380万円程度、消防設備点検・整備スタッフでは300万〜500万円程度が目安です。
ビルメンテナンス、工場設備管理、データセンター設備管理、電気設備保守、現場リーダー、管理職まで経験を広げると、500万〜700万円程度を目指せる場合もあります。
- Q3, 難易度はどれくらいですか?
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消防設備士(乙種第3類)は、乙種の中ではやや高めの難易度です。
受験資格がないため挑戦しやすい資格ですが、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備の構造、消火剤、貯蔵容器、容器弁、噴射ヘッド、起動装置などを理解する必要があります。設備を日常的に見る機会が少ない人は、写真や図を使って学習すると理解しやすいでしょう。
- Q4, 甲種第3類との違いは何ですか?
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乙種第3類は、第3類設備の整備と点検を行える資格です。
甲種第3類は、第3類設備の工事、整備、点検を行えます。不活性ガス消火設備や粉末消火設備の設置工事、改修工事まで関わりたい場合は、甲種第3類の取得が必要になります。
- Q5, 乙種第6類との違いは何ですか?
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乙種第3類は、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備などを扱う資格です。
乙種第6類は、消火器を扱う資格です。第3類は建物や施設に設置されるガス系・粉末系の消火設備、第6類は初期消火に使う消火器と考えると分かりやすいでしょう。
