第二級海上特殊無線技士で就職できる仕事とは?年収・将来性まで徹底解説
第二級海上特殊無線技士は、海岸局や船舶局の無線電話による国内通信とレーダー操作に関わる国家資格です。
小型船舶、漁船、観光船、港湾作業、海洋工事、マリーナ、船舶機器関連の分野で活用される資格ですが、「第二級海上特殊無線技士を取得すると就職や転職に有利なのか」「どのような仕事に就けるのか」「年収はどの程度を目指せるのか」と気になる方も多いでしょう。
本記事では、第二級海上特殊無線技士で就職・転職できる仕事の具体像、年収水準、将来性までを体系的に解説します。

第二級海上特殊無線技士とはどんな資格?
第二級海上特殊無線技士は、電波法に基づく無線従事者資格の一つであり、海上関係の無線設備について、一定範囲の通信操作やレーダー操作を行うための国家資格です。
第二級海上特殊無線技士の操作範囲は、海岸局および船舶局に設置される一定範囲の無線設備の国内通信のための操作と、海岸局および船舶局のレーダー操作です。
具体的には、1,605kHzから4,000kHzの電波を使用する空中線電力10W以下の無線設備や、25,010kHz以上の電波を使用する空中線電力50W以下の無線設備などが対象になります。

試験では、無線工学と法規が中心に問われます。
難易度は、無線従事者資格の中では比較的取り組みやすい部類です。ただし、第三級海上特殊無線技士よりも操作範囲が広く、海岸局や船舶局の国内通信、レーダー操作に関する理解が求められるため、海上無線の用語に慣れていない人は一定の学習時間が必要です。
第二級海上特殊無線技士を取得すると、船舶無線、海岸局との国内通信、レーダー操作、海上での通信ルールに関する基礎知識を証明できます。
資格単体で高年収が保証されるわけではありませんが、小型船舶操縦士、海技士、第一級海上特殊無線技士、船舶運航の実務経験などと組み合わせることで、海上分野での就職・転職に活かしやすくなる資格です。
第二級海上特殊無線技士で就職できる主な仕事
第二級海上特殊無線技士は、小型船舶、漁船、観光船、海岸局、港湾作業、海洋工事、船舶機器関連の分野で活かされます。
ここでは、代表的な職種を紹介します。
1, 小型船舶・観光船の運航支援スタッフ
1つ目は、小型船舶や観光船の運航を支える仕事です。
観光船、遊覧船、小型旅客船、地域交通船、作業船などでは、乗客や荷物を安全に運ぶために、出港前の点検、気象確認、航路確認、周辺船舶の確認、係船作業、乗客対応、緊急時の連絡体制づくりなどが必要になります。
運航支援スタッフは、船長や乗組員を補助しながら、安全な運航を支える役割を担います。
第二級海上特殊無線技士が評価される理由は、船舶局の無線電話やレーダー操作に関する基礎知識を持っていることを示せるためです。海上では、港や海岸局との連絡、他船との情報共有、視界不良時のレーダー確認、緊急時の通信対応などが重要になります。無線通信とレーダーの基本を理解していることは、船舶運航の現場で安全意識を示す材料になります。
年収は300万〜550万円程度が目安です。未経験の場合は運航補助、甲板作業、乗客対応から始まることが多く、小型船舶操縦士や上位の海上特殊無線技士を取得することで、船長補助や運航管理に近い業務へ進みやすくなります。
2, 漁船・水産会社の船舶運航補助
2つ目は、漁船や水産会社で船舶の運航を補助する仕事です。
漁業の現場では、漁場への移動、操業中の周辺確認、港や関係者との連絡、天候や海象の確認、他船との距離確認などが重要になります。船舶運航補助の仕事では、見張り、操業準備、船内作業、漁具の扱い、航行時の安全確認、無線連絡の補助などに関わります。
第二級海上特殊無線技士が活きる理由は、漁船で使われる無線電話やレーダーの操作に関する基礎を学べるためです。漁船は早朝や夜間に出港することもあり、視界が悪い状況で周辺船舶や障害物を確認する必要があります。
また、海岸局や港との連絡を行う場面もあるため、無線通信のルールを理解していることは安全な操業を支える要素になります。
年収は300万〜550万円程度が目安です。漁業は地域、漁法、会社規模、歩合や乗船日数によって収入差が大きい分野です。小型船舶操縦士、海技士、第一級海上特殊無線技士、漁業経験などと組み合わせることで、船舶運航に関わる業務範囲を広げやすくなります。
3, 海岸局・漁業無線関連の通信運用スタッフ
3つ目は、海岸局や漁業無線関連の通信運用に関わる仕事です。
海岸局は、船舶と陸上をつなぐ無線通信の拠点です。漁船や小型船舶との連絡、操業情報の共有、気象や海象に関する情報の伝達、緊急時の通信連絡などを担うことがあります。通信運用スタッフは、船舶との通信、通信設備の状態確認、記録管理、関係者との連携、設備点検の補助などに関わります。
第二級海上特殊無線技士が評価される理由は、船舶局だけでなく海岸局の国内通信にも関わる操作範囲を持つためです。第三級海上特殊無線技士は主に船舶局側の操作に限定されますが、第二級では海岸局も対象に含まれるため、陸上側から船舶通信を支える仕事との相性があります。
年収は320万〜550万円程度が目安です。漁業協同組合、漁業無線関連団体、通信設備会社、港湾関連企業、公共インフラ関連の部署などで活かせる可能性があります。無線設備の保守経験や、第一級海上特殊無線技士、海上無線通信士、陸上特殊無線技士などを組み合わせることで、より専門的な通信職へ広げやすくなります。
4, 港湾・海洋工事会社の作業船スタッフ
4つ目は、港湾工事や海洋工事で使われる作業船に関わる仕事です。
港湾・海洋工事会社では、防波堤、岸壁、海底ケーブル、洋上風力、海上構造物、浚渫、測量、護岸工事など、海上や沿岸部での作業を行います。作業船スタッフは、作業船の移動補助、周辺海域の見張り、工事現場での安全確認、関係船舶との連絡、作業員との調整などを担当します。
第二級海上特殊無線技士が活きる理由は、作業船の現場では無線による連絡やレーダーによる周辺確認が安全管理に直結するためです。港湾内や沿岸部では、作業船、貨物船、漁船、プレジャーボートなどが同じ海域を利用するため、周囲の状況を把握しながら作業を進める必要があります。第二級では第三級よりも通信操作の範囲が広いため、現場での通信理解を示しやすい資格です。
年収は350万〜650万円程度が目安です。港湾工事や海洋土木の経験、玉掛け、クレーン、潜水士、小型船舶操縦士、海技士、第一級海上特殊無線技士などを組み合わせることで、現場での評価を高めやすくなります。
5, 船舶機器・マリン用品の販売・保守補助スタッフ
5つ目は、船舶用無線機やレーダー、航海計器、マリン用品を扱う企業で、販売や保守補助に関わる仕事です。
船舶機器・マリン用品の販売・保守補助スタッフは、無線機、レーダー、GPS、魚群探知機、AIS、電子海図表示装置、衛星通信機器などの製品説明、納品、設置補助、操作説明、簡易点検、顧客対応などを担当します。顧客は漁業者、遊漁船事業者、マリーナ、観光船会社、プレジャーボート利用者、港湾関連企業など多岐にわたります。
第二級海上特殊無線技士が評価される理由は、船舶無線やレーダーの基本的な役割を理解していることを示せるためです。顧客に対して無線機やレーダーの使い方、安全上の注意点、資格との関係を説明する場面では、試験で学んだ無線工学や法規の知識が役立ちます。
年収は330万〜600万円程度が目安です。船舶機器メーカー、マリン用品販売会社、船舶電装会社、航海計器の販売代理店などで活かせる可能性があります。電気工事士、第一級海上特殊無線技士、船舶電装、電子機器、営業経験などを組み合わせることで、技術営業や保守担当として仕事の幅を広げやすくなります。
第二級海上特殊無線技士の年収目安
第二級海上特殊無線技士の年収は、資格そのものよりも、船舶運航経験、港湾作業経験、漁業経験、海岸局や通信設備の運用経験、小型船舶操縦士や海技士などの関連資格の有無によって変わります。
未経験の場合は300万〜400万円程度からスタートするケースが多く、船舶運航、港湾作業、海洋工事、船舶機器関連の経験を積むことで400万〜600万円程度を目指しやすくなります。
| 職種・業界 | 年収目安 |
|---|---|
| 小型船舶・観光船の運航支援スタッフ | 300万〜550万円 |
| 漁船・水産会社の船舶運航補助 | 300万〜550万円 |
| 海岸局・漁業無線関連の通信運用スタッフ | 320万〜550万円 |
| 港湾・海洋工事会社の作業船スタッフ | 350万〜650万円 |
| 船舶機器・マリン用品の販売・保守補助スタッフ | 330万〜600万円 |
| 船長補助・現場リーダー | 450万〜700万円 |
| 船舶運航・港湾関連部門の管理職 | 600万〜800万円以上 |
第二級海上特殊無線技士は、資格を取得しただけで高年収が保証される資格ではありません。
ただし、第三級海上特殊無線技士よりも操作範囲が広く、海岸局や船舶局の国内通信、レーダー操作に対応できるため、海上分野での実務と組み合わせることで評価されやすくなります。
年収アップを目指すなら、小型船舶操縦士、第一級海上特殊無線技士、海上無線通信士、海技士、潜水士、電気工事士などを組み合わせるとよいでしょう。船舶運航や海上作業の現場では、無線の知識だけでなく、操船、安全管理、気象、救命、機器点検、顧客対応、現場管理の経験が評価されます。
第二級海上特殊無線技士の将来性
第二級海上特殊無線技士の将来性は、資格単体では限定的な面もありますが、船舶運航、漁業、港湾作業、海洋工事、海上安全などと組み合わせることで活かしやすい資格です。
船舶や港湾は物流、漁業、観光、防災、海洋開発を支える重要なインフラであり、海上では無線通信やレーダーが安全航行に欠かせません。特に小型船舶、漁船、観光船、作業船などでは、緊急時の連絡や周辺確認のために基本的な無線知識が役立ちます。
また、海上風力発電、海底ケーブル、港湾整備、沿岸防災などの分野でも、作業船や支援船の運用が必要になるため、海上無線の知識を持つ人材は一定の需要が見込まれます。
一方で、第二級海上特殊無線技士で扱える範囲は国内通信が中心です。国際通信や高度な海上通信を目指す場合は、第一級海上特殊無線技士や海上無線通信士、小型船舶操縦士、海技士などの資格も重要になります。
AIやデジタル機器によって、レーダー解析や航路支援などは自動化が進む可能性があります。しかし、天候、波、視界、船舶の動き、港湾の混雑などを踏まえた現場判断には、人間の経験が必要です。
そのため、第二級海上特殊無線技士は、海上無線の基礎を身につけ、船舶運航、港湾作業、海洋工事、安全管理などへ広げていくための入口となる資格といえるでしょう。
第二級海上特殊無線技士はこんな人におすすめ
第二級海上特殊無線技士は、小型船舶や海上無線、レーダー、安全航行に関心がある人におすすめの資格です。
特に、観光船、遊漁船、漁船、マリーナ、港湾作業、海洋工事、海岸局、船舶機器関連の仕事に興味がある人に向いています。
海上で働く場合、無線電話やレーダーは安全確認のために重要な装置であり、その基本的な仕組みや操作範囲を理解していることは、現場理解につながります。
まとめ
第二級海上特殊無線技士は、海岸局や船舶局の無線電話による国内通信と、海岸局・船舶局のレーダー操作に関わる国家資格です。
資格単体で就職や高年収に直結する力は強くありませんが、第三級よりも操作範囲が広く、海上分野での基礎資格として活用しやすい資格です。船舶運航、港湾作業、漁業、海洋工事などの実務経験に加え、小型船舶操縦士、第一級海上特殊無線技士、海技士などと組み合わせることで、海上分野でのキャリアにつなげやすくなるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- Q1, 第二級海上特殊無線技士は就職や転職に有利ですか?
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第二級海上特殊無線技士は、観光船、遊漁船、漁船、マリーナ、港湾作業、海洋工事、海岸局、船舶機器関連の分野で評価材料になることがあります。
- Q2, 年収はどのくらいですか?
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未経験では300万〜400万円程度からスタートするケースが多く、船舶運航や港湾作業、漁業、マリーナ運営、海岸局の通信運用、船舶機器関連の経験を積むことで400万〜600万円程度を目指せます。
- Q3, 難易度はどれくらいですか?
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第二級海上特殊無線技士は、無線従事者資格の中では比較的取り組みやすい資格です。試験は無線工学と法規が中心で、英語や電気通信術は含まれません。ただし、第三級よりも操作範囲が広いため、海岸局や船舶局、周波数、空中線電力、レーダーなどの用語を丁寧に理解する必要があります。
- Q4, どのような仕事で活かせますか?
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小型船舶・観光船の運航支援、漁船・水産会社の船舶運航補助、海岸局・漁業無線関連の通信運用、港湾・海洋工事会社の作業船スタッフ、船舶機器・マリン用品の販売・保守補助などで活かせます。
- Q5, 将来性はありますか?
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第二級海上特殊無線技士の将来性は、資格単体では限定的ですが、海上分野の実務と組み合わせることで活かせます。
