2026年一級建築士「学科の試験」の合格率は26.2%|7,619人が合格、基準点は94点
2026年9月2日、国土交通省は、令和8年一級建築士試験「学科の試験」の合格者を発表しました。
実受験者2万9,094人のうち7,619人が合格し、合格率は前年の16.5%から26.2%へ上昇しています。
本記事では、2026年の試験結果と合格基準点、合格者の年齢や職域、今後実施される設計製図の試験について紹介します。


2026年の学科試験は7,619人が合格
2026年の一級建築士「学科の試験」は、7月26日に全国56会場で実施されました。
国土交通省が公表した試験結果は、次のとおりです。

合格率は前年から9.7ポイント上昇
実受験者数は前年より1,605人、合格者数は3,090人増加しました。合格率も16.5%から26.2%へ、9.7ポイント上昇しています。
国土交通省が示した2021年から2025年までの結果を含めて比較すると、2026年の合格率は直近6年で最も高い水準です。これまで最も高かった2024年の23.3%を2.9ポイント上回りました。
合格者の受験番号一覧は、建築技術教育普及センターのウェブサイトに掲載されています。受験者には合否の判定結果がマイページで通知され、不合格者には試験成績も通知されます。
合格基準点は125点満点中94点
学科試験は各問題1点で、合計125点満点です。2026年の科目別および総得点の合格基準点は、次のように設定されました。

合格するには、総得点が94点以上であるだけでなく、すべての科目でそれぞれの基準点に達する必要があります。
総得点は90点程度が基本的な水準として想定されていましたが、試験の難度が総じて低かったことから、94点が合格基準点となりました。
学科Ⅲの1問は受験者全員に得点
学科Ⅲ(法規)の問題No.29は、当初、選択肢1が正答とされていました。
しかし、設問の条件では正答となる選択肢がなかったことから、受験者全員に1点が与えられています。
合格者の年齢・職域に見られる特徴
国土交通省は、学科試験に合格した7,619人の年齢、学歴・資格、職域、職務内容、男女別の構成も公表しています。
24~26歳が30.2%で最多
合格者の平均年齢は29.8歳です。年齢別では24~26歳が30.2%で最も多く、23歳以下の19.4%、27~29歳の15.1%が続きました。
23歳以下と24~26歳を合計すると、26歳以下が合格者全体の49.6%を占めています。
学歴・資格別では大学が69.7%で最も多く、二級建築士の資格のみで受験した人が11.5%、専修学校が6.7%でした。
建設業勤務者が37.4%、女性は30.0%
職域別では建設業が37.4%で最も多く、建築士事務所が26.7%、住宅メーカーが13.0%と続いています。
職務内容別では建築設計が36.7%、施工管理・現場管理が22.6%、構造設計が7.4%でした。
男女別では男性が70.0%、女性が30.0%となっています。
学科試験の合格後に確認したいこと
一級建築士試験は、学科試験に合格しただけでは最終合格にはなりません。学科試験の合格者は、次の「設計製図の試験」に進みます。
学科試験の合否通知書はマイページからダウンロードでき、郵送は行われないので注意してください。ダウンロード期限は2027年2月末です。
設計製図の試験は10月11日に実施
2026年の「設計製図の試験」は、10月11日に実施されます。試験時間は午前11時から午後5時30分までの6時間30分です。
試験では、あらかじめ公表された課題の建築物について、1つの設計課題に基づいて設計図書を作成します。また、2026年からは、一定の条件を満たした法令集を設計製図の試験中に使用できるようになりました。
合格発表は12月23日の予定です。設計製図の試験に合格すると一級建築士試験の最終合格となりますが、一級建築士になるには、その後に免許登録を行い、国土交通大臣の免許を受ける必要があります。
設計製図の試験の合格通知書は免許登録時に必要ですので、ダウンロードを忘れないようにしましょう。
設計課題は「ホテル」
2026年の設計製図の課題は「ホテル」です。
要求図書として、次の図面や記述が示されています。
- 1階平面図・配置図(縮尺200分の1)
- 各階平面図(縮尺200分の1)
- 断面図(縮尺200分の1)
- 面積表
- 計画の要点など
建築物の計画では、ホテルの部屋を配置して図面を完成させるだけではありません。敷地の周辺環境や既存建築物の保存に加え、バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量の削減、セキュリティなどへの配慮が求められます。
各室のゾーニングや利用者・従業員の動線、建築物の構造安全性と経済性、空調・給排水・電気・昇降機などの設備も適切に計画することが求められます。
建築技術教育普及センターは、法令や要求図書、主要な要求室などの設計条件に対して、解答内容が不適合または不十分な場合、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」などと判断されると説明しています。
まとめ
2026年の一級建築士学科試験は、総得点の合格基準点が94点に設定されました。合格率は前年から大きく上昇し、7,619人が学科試験を通過しています。
ただし、学科試験の合格は、二段階ある試験の第一段階です。
合格者は、課題「ホテル」の設計製図の試験で、学科で問われた知識を動線、構造、設備などを含む具体的な建築計画へ落とし込むことになります。設計製図の試験に合格した後は、免許登録を経て一級建築士となります。

