消防・防火

消防設備士(甲種第5類)で就職できる仕事とは?年収・将来性まで徹底解説

Nishida

消防設備士(甲種第5類)は、金属製避難はしご、救助袋、緩降機などの避難器具の工事・整備・点検に関わる国家資格です。

避難器具の設置工事や点検で活かせる資格と言われていますが、実際のところ、「就職や転職にどう活かせるのか」「年収はどの程度か」「将来も需要があるのか」と疑問を持つ人は少なくありません。

本記事では、消防設備士(甲種第5類)で就職できる仕事の具体像、年収水準、将来性までをわかりやすく解説します。

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消防設備士(甲種第5類)とはどんな資格?

消防設備士とは、ビルや工場、商業施設、マンションなどに設置される消防用設備について、工事・整備・点検を行うための国家資格です。

図:消防設備士(甲種第5類)©︎資格会議メディア

火災が起きたときに人命や建物を守るため、消防用設備は設置して終わりではなく、定期的な点検や必要に応じた整備、改修が求められます。消防設備士は、建物の安全を現場で支える実務資格です。

甲種第5類は、消防設備士の中でも避難器具を扱う区分です。対象となる設備は、金属製避難はしご、救助袋、緩降機です。第1類から第3類が消火設備、第4類が警報設備を扱うのに対し、第5類は火災時に建物内の人が安全に避難するための設備に関わります。

試験は、筆記試験と実技試験で構成されます。難易度は、甲種の中では中程度です。甲種第1類や第4類と比べると電気や水理の負担は少ない一方で、建物構造、避難経路、取付強度、降下空間など、第5類ならではの知識が必要になります。

できるようになる業務内容としては、金属製避難はしご、救助袋、緩降機の点検、整備、設置工事、改修工事、設置場所の確認、取付部の確認、降下空間や避難空地の確認、点検報告書の作成、消防署への届出に関わる書類作成などがあります。

消防設備士(甲種第5類)で就職できる主な仕事

消防設備士(甲種第5類)は、避難器具に関する専門資格として、消防設備会社、設備工事会社、ビルメンテナンス会社、防災設備メーカー、建物管理会社などで活かされます。

ここでは、代表的な職種を紹介します。

1, 消防設備会社の点検・保守スタッフ

消防設備会社の点検・保守スタッフは、建物に設置されている消防用設備が正常に使える状態かを確認する仕事です。

消防設備士(甲種第5類)が活きる理由は、避難器具の構造や設置基準を理解したうえで、点検や整備に関われるためです。

避難器具は、火災時に人が実際に使う設備です。器具そのものに問題がなくても、降下空間がふさがれている、取付部が劣化している、避難空地に障害物があると、安全に使えない可能性があります。

年収は、未経験の点検スタッフで300万〜400万円程度、経験者で400万〜550万円程度が目安です。甲種第5類に加えて、甲種第4類、乙種第6類、消防設備点検資格者などを取得し、複数設備に対応できるようになると、500万〜650万円程度を目指せる場合があります。

2, 避難器具の設置・改修工事スタッフ

避難器具の設置・改修工事スタッフは、新築や改修工事の現場で、金属製避難はしご、救助袋、緩降機などを設置する仕事です。

建物の構造、窓やバルコニーの位置、外壁の状態、取付部の強度、降下空間、避難空地を確認しながら、図面や基準に沿って施工します。

消防設備士(甲種第5類)が活きる理由は、甲種であれば対象設備の工事まで関われるためです。乙種では工事を行えないため、避難器具の設置や改修まで担当したい場合、甲種第5類は実務に直結しやすい資格です。

年収は、工事スタッフで350万〜600万円程度が目安です。施工管理、現場責任者、消防署検査対応、建築工事との調整まで経験できる人は、600万〜800万円程度を目指せる場合があります。

3, 消防設備の施工管理・現場代理人

消防設備の施工管理・現場代理人は、消防設備工事が計画どおりに進むように、工程、品質、安全、原価、協力会社、書類を管理する仕事です。

消防設備士(甲種第5類)が活きる理由は、消防法令と避難器具の構造を理解したうえで、現場判断ができるためです。施工管理では、図面どおりに設置できるかだけでなく、実際に火災時に安全に使えるかを確認する力が求められます。

年収は、施工管理担当で450万〜700万円程度が目安です。中規模から大規模案件の現場代理人、消防署対応、見積もり、設計変更、協力会社管理までできる人は、700万〜900万円程度を目指せる場合があります。

4, ビルメンテナンス・建物管理スタッフ

ビルメンテナンスや建物管理スタッフは、建物内の電気、空調、給排水、消防設備、防犯設備、エレベーターなどを管理する仕事です。

消防設備士(甲種第5類)が活きる理由は、建物管理において避難器具が人命に直結する設備だからです。

外部業者に任せるだけでなく、報告書の内容を読み、必要な修繕を判断できる人は、建物管理の現場で評価されやすくなります。

年収は、ビルメンテナンス・建物管理スタッフで320万〜500万円程度が目安です。建築物環境衛生管理技術者、消防設備点検資格者、第二種電気工事士、危険物取扱者などと組み合わせると、500万〜700万円程度を目指せる場合があります。

5, 防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポート

防災設備メーカーや専門商社では、避難はしご、救助袋、緩降機、取付金具、収納箱、関連部材などを扱います。

営業職であれば、製品の提案をしますが、技術サポート職であれば、製品仕様の説明、図面確認、現場条件に合った器具選定、問い合わせ対応などを行います。

消防設備士(甲種第5類)が活きる理由は、避難器具の構造や法令を理解していることで、顧客に実務的な提案ができるためです。

年収は、防災設備メーカーや専門商社の営業・技術サポートで400万〜700万円程度が目安です。法人営業経験、施工管理経験、設備設計経験、メーカーでの技術対応経験がある人は、700万〜900万円程度を目指せる場合があります。

消防設備士(甲種第5類)の年収目安

消防設備士(甲種第5類)の年収は、勤務先、担当業務、地域、経験年数、保有資格、夜間・休日対応の有無によって変わります。

甲種第5類は、点検だけでなく工事まで関われる資格であり、避難器具に関する実務で活かしやすい区分です。

職種・業界年収目安
未経験・点検補助スタッフ280万〜380万円
消防設備点検・保守スタッフ300万〜550万円
避難器具の設置・改修工事スタッフ350万〜600万円
消防設備施工管理・現場代理人450万〜800万円
ビルメンテナンス・建物管理スタッフ320万〜500万円
防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポート400万〜700万円
消防設備会社の管理職600万〜900万円
独立開業・消防設備会社経営者700万〜1,000万円以上

年収を上げるには、甲種第5類に加えて、甲種第4類、甲種第1類、乙種第6類、消防設備点検資格者、建築施工管理技士、建築物環境衛生管理技術者などを組み合わせるとよいでしょう。

避難器具だけでなく、警報設備、消火設備、建物管理、施工管理まで理解できる人材は、長く評価されやすくなります。

消防設備士(甲種第5類)の将来性

消防設備士(甲種第5類)の将来性は、建物の防災需要、法定点検、既存設備の老朽化、共同住宅や福祉施設の安全管理、建物改修と関係しています。

避難器具は、火災時に建物内の人が安全に逃げるための重要な設備です。

通常の階段や廊下が使えることが望ましいものの、火災や煙の広がり方によっては、別の避難手段が必要になる場合があります。そのため、金属製避難はしご、救助袋、緩降機などを正しく設置し、使える状態に保つことは、建物の安全管理において重要です。

AI代替可能性については、一部効率化される可能性がありますが、消防設備士(甲種第5類)の仕事がAIに完全に置き換わる可能性は低いと考えられます。

現場で避難器具の状態を確認し、取付部の劣化、降下空間の障害物、避難空地の状況、建物の使われ方、改修後の納まりを判断するには、人の専門知識と経験が必要です。避難器具は、人が実際に使う設備であるため、現場での確認や施工品質が安全性に直結します。

消防設備士(甲種第5類)は、避難器具に強い実務資格として、消防設備業界や建物管理の現場で活かしやすい資格です。点検、整備、工事、施工管理、消防署対応まで経験を積めば、長く使える専門性につながるでしょう。

消防設備士(甲種第5類)はこんな人におすすめ

消防設備士(甲種第5類)は、避難器具に関わる仕事をしたい人におすすめの資格です。

特に、消防設備会社、設備工事会社、ビルメンテナンス会社、防災設備メーカー、建物管理会社で働きたい人に向いています。

避難はしご、救助袋、緩降機、取付金具、避難空地など、建物の避難安全に関心がある人には相性があります。

まとめ

消防設備士(甲種第5類)は、金属製避難はしご、救助袋、緩降機などの避難器具の工事・整備・点検に関わる国家資格です。

消防設備会社の点検・保守スタッフ、避難器具の設置・改修工事スタッフ、消防設備の施工管理・現場代理人、ビルメンテナンス・建物管理スタッフ、防災設備メーカー・専門商社の営業・技術サポートなどで活かせます。

消防設備士(甲種第5類)は、避難器具に強い実務資格として、消防設備業界で長く活かしやすい資格です。

よくある質問(FAQ)

Q
Q1, 就職や転職に有利な資格ですか?

消防設備会社、設備工事会社、ビルメンテナンス会社、防災設備メーカー、建物管理会社などへの就職・転職で有利になることがあります。

特に、金属製避難はしご、救助袋、緩降機などの避難器具の点検・整備・工事に関わる求人では評価されやすい資格です。

Q
Q2, 年収はどのくらいですか?

未経験の場合は280万〜380万円程度、点検・保守スタッフでは300万〜550万円程度、避難器具の工事スタッフでは350万〜600万円程度が目安です。

施工管理、現場代理人、消防署対応、管理職まで担当できる人は、600万〜900万円程度を目指せる場合もあります。

Q
Q3, 難易度はどれくらいですか?

消防設備士(甲種第5類)は、甲種の中では中程度の難易度です。

甲種であるため受験資格が必要で、試験では法令、基礎知識、設備の構造・機能・工事・整備、鑑別、製図が問われます。避難器具の構造や設置基準、建物の避難動線に慣れていない人は、基礎からの学習が必要です。

Q
Q4, 乙種第5類との違いは何ですか?

甲種第5類は、対象設備の工事、整備、点検を行えます。

乙種第5類は、対象設備の整備と点検はできますが、工事は行えません。避難器具の設置工事や改修工事まで関わりたい場合は、甲種第5類の方が実務で活かしやすいです。

Q
Q5, 未経験でも受験できますか?

甲種消防設備士は受験資格が必要です。指定学科の卒業、所定の単位修得、実務経験、電気工事士、電気主任技術者、建築士、管工事施工管理技士など、複数のルートがあります。

未経験でも受験資格を満たしていれば受験できますが、実務経験がない場合は、設備構造や図面の理解に時間がかかる可能性があります。

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