美容師と理容師の違いは?|難易度・仕事・どっちがおすすめか比較
美容師と理容師は、どちらも髪を切ったり、髪型を整えたりする仕事です。
以前は「美容師は女性の髪を扱う仕事」「理容師は男性の髪を扱う仕事」というイメージがありましたが、現在は性別による業務範囲の制限はありません。美容師も理容師も、男女を問わずカットやパーマを行えます。
本記事では、美容師と理容師の仕事内容や資格、国家試験の違いについて解説します。

美容師と理容師の違い
美容師と理容師は、どちらも髪を切ったり、髪型を整えたりする国家資格です。現在は利用者の性別による区別はなく、どちらもカットやパーマ、カラーを行えます。
一方、顔そりや結髪、メイクなど、取得している免許によって対応できる施術には違いがあります。
主な違いをまとめると、次のとおりです。

両者は担当する利用者の性別ではなく、法律上認められている業務と取得している免許によって区別されます。ここからは、それぞれの違いを詳しく解説します。
違い1.法律上の目的が異なる
美容師と理容師は、それぞれ異なる法律に基づく国家資格です。
美容師法では、美容をパーマネントウェーブ、結髪、化粧などの方法によって「容姿を美しくすること」と定めています。一方、理容師法では、理容を頭髪の刈込み、顔そりなどの方法によって「容姿を整えること」と定めています。
表現だけを見ると似ていますが、美容は結髪や化粧、理容は刈込みや顔そりを代表的な業務としている点が異なります。
ただし、現在は美容師も理容師もカットとパーマを行えます。2015年には、利用者の性別に着目して業務範囲を定めていた従来の通知が廃止されました。そのため、「美容師は女性だけ」「理容師は男性だけ」を担当する仕事ではありません。
違い2.顔そりができる範囲が異なる
美容師と理容師の大きな違いが、顔そりの業務範囲です。
理容師は、かみそりを使った顔そりを業務として行えます。男性のひげそりだけでなく、女性向けのレディースシェービングやブライダルシェービングも理容師の仕事に含まれます。
美容師にも、化粧に付随する軽い程度の顔そりは認められています。しかし、顔全体をかみそりで剃る一般的なシェービングを業務として行う場合は、理容師免許が必要です。
シェービングを専門的に学びたい場合は、美容師ではなく理容師を選ぶ必要があります。
違い3.ヘアセットやメイクの扱いが異なる
美容師は、カットやパーマ、カラーに加えて、結髪やヘアアレンジ、メイクなどを業務として行えます。
そのため、美容室だけでなく、結婚式場や写真スタジオ、ヘアメイクサロンなどにも活躍の場があります。まつ毛エクステンションも美容師法上の美容行為に該当するため、施術者には美容師免許が必要です。
理容師も、カット後に整髪料やドライヤーを使って髪を整える「整髪」は行えます。ただし、結髪やメイクなど、美容師法上の美容に当たる施術を理容師免許だけで業として行うことはできません。
違い4.取得する国家資格が異なる
美容師として働くには美容師免許、理容師として働くには理容師免許が必要です。
どちらも原則として、高校卒業後に都道府県知事が指定する養成施設で必要な知識と技術を学び、国家試験に合格したうえで免許を申請します。
通常課程の修業期間は、どちらも同じです。
- 昼間課程:2年以上
- 夜間課程:2年以上
- 通信課程:3年以上
学校に通っただけでは美容師や理容師にはなれません。国家試験に合格したうえで、免許の登録手続きを行う必要があります。
違い5.国家試験の実技課題が異なる
美容師国家試験と理容師国家試験は、どちらも筆記試験と実技試験で構成されています。
筆記試験では、関係法規・制度、衛生管理、保健、香粧品化学、文化論、運営管理などの共通分野に加え、それぞれの技術理論が出題されます。
一方、実技試験では、資格ごとに異なる技術が求められます。
| 資格 | 主な実技課題 |
|---|---|
| 美容師 | カッティング、第2課題、衛生上の取扱い |
| 理容師 | カッティング、シェービング、顔面処置、整髪、衛生上の取扱い |
美容師試験の第2課題は試験回ごとに指定され、第54回ではワインディングでした。理容師試験では、顔そりや顔面処置が実技に含まれる点が大きな特徴です。
美容師と理容師はどちらが難しい?
美容師と理容師のどちらが難しいかは、一概には決められません。
養成施設の修業期間や国家試験の仕組みはほぼ同じですが、実技試験で求められる技術が異なるためです。
美容師はカッティングやワインディングなどの技術、理容師はカッティングに加えてシェービングや顔面処置などの技術が求められます。

直近5回の平均合格率は、理容師が76.6%、美容師が76.4%と、ほとんど差がありません。ただし、どちらも試験回によって合格率が大きく変動しています。
したがって、合格率だけを見て、どちらかが明確に難しいとは判断できません。自分が習得したい技術や、実技課題との相性を含めて考える必要があります。
美容師と理容師はどんな仕事で活躍できる?
美容師と理容師は、取得した免許と身につけた技術によって、活躍しやすい仕事が異なります。
美容師が活躍できる仕事
美容師免許は、次のような仕事に活かせます。
- 美容室のスタイリスト
- ヘアカラー専門店のスタッフ
- ヘアメイクアーティスト
- ブライダルヘアメイク
- 写真スタジオのヘアメイク
- アイリスト
美容師は、カットやカラー、パーマだけでなく、ヘアアレンジやメイクまで含めて容姿を美しくする仕事です。
髪型をデザインするだけでなく、結婚式や撮影など、場面に合わせたスタイルをつくる仕事にもつながります。まつ毛エクステンションの施術にも美容師免許が必要なため、アイリストを目指す場合も美容師を選びます。

理容師が活躍できる仕事
理容師免許は、次のような仕事に活かせます。
- 理容室やバーバーのスタイリスト
- メンズヘア専門サロンのスタッフ
- シェービングサロンのスタッフ
- レディースシェービング
- ブライダルシェービング
- 訪問理容サービス
理容師は、カットやパーマ、カラーに加えて、かみそりを使った顔そりを提供できることが強みです。
バリカンやはさみを使って細かく仕上げる短髪スタイル、フェードカット、シェービングなどの技術を磨きたい人に適しています。女性向けのシェービングを専門にする働き方も可能です。
美容師と理容師が共通して活躍できる仕事
美容師と理容師は、取得する免許や一部の業務範囲は異なりますが、共通して活躍できる仕事もあります。
- サロンのヘアスタイリスト
それぞれの美容室や理容室で、カット、シャンプー、パーマ、カラーなどを担当します。 - 訪問・福祉理美容
高齢者や外出が難しい人に向けて、自宅や福祉施設などで理美容サービスを提供します。 - 理美容関連企業のスタッフ
理美容用品メーカーやディーラーなどで、資格取得を通じて身につけた知識を商品提案や技術指導に活かせます。
このように、働く分野には共通点がある一方、それぞれの免許によって強みとなる施術は異なります。より幅広い技術や働き方を目指す場合は、美容師免許と理容師免許の両方を取得するダブルライセンスも選択肢です。
すでに一方の免許を持っている場合は、昼間・夜間課程は1年以上、通信課程は1年6か月以上の修得者課程を利用して、もう一方の資格を目指すことができます。
美容師と理容師はどっちがおすすめ?
美容師と理容師のどちらを選ぶべきかは、身につけたい技術や将来働きたい分野によって異なります。
美容師がおすすめの人
美容師は、次のような人におすすめです。
- カラーやパーマに興味がある人
- ヘアアレンジやメイクを学びたい人
- 流行を取り入れた髪型を提案したい人
- ブライダルや撮影の仕事に関心がある人
- 美容に関する幅広い分野で働きたい人
美容師は、利用者の希望や髪質、顔立ちなどを踏まえて、その人に合うスタイルを提案する仕事です。決められた髪型を再現する技術だけでなく、流行を取り入れる感覚や提案力も求められます。
ヘアスタイルを中心に、メイクやファッションとの組み合わせまで考えながら、トータルな美容に関わりたい人には美容師が向いています。
理容師がおすすめの人
理容師は、次のような人におすすめです。
- シェービングの技術を身につけたい人
- メンズヘアや短髪のデザインに興味がある人
- バリカンやかみそりを使った施術が好きな人
- フェードカットなどの細かな技術を磨きたい人
- 身だしなみを整える仕事に関心がある人
理容師は短い髪を細かく整えたり、左右のバランスを確認しながら仕上げたりするため、正確で丁寧な作業が好きな人に向いています。
どちらの仕事にも、接客力や衛生管理の知識、技術を継続して磨く姿勢が必要です。人と接することが好きで、練習を重ねながら技術を高めたい人は、美容師と理容師のどちらにも適性があるといえます。
迷っている場合は施術内容で選ぶ
美容師と理容師のどちらにするか迷った場合は、「誰を担当したいか」ではなく、「どのような施術を身につけたいか」で選ぶのがおすすめです。
ヘアセットやメイクまで幅広く学びたい場合は美容師、シェービングを含めて身だしなみを整える技術を学びたい場合は理容師が適しています。
養成施設を選ぶ際は、資格名だけでなく、授業内容や実習設備、卒業生の就職先、ダブルライセンス課程の有無なども確認しましょう。
また、どちらにするか決められない場合は、養成施設の体験授業やオープンキャンパスに参加し、実際の実習内容を比較してみるのもよいでしょう。
まとめ
美容師と理容師は、どちらも髪を切ったり、髪型を整えたりできる国家資格です。
大きな違いは、顔そりやヘアセット、メイクなどの業務範囲にあります。美容師はヘアセットやメイクを行える一方、理容師は本格的な顔そりを行えます。
「美容師は女性向け、理容師は男性向け」という分け方ではありません。身につけたい技術や将来働きたい分野を考えたうえで、自分に合った資格を選びましょう。
美容師と理容師に関するよくある質問
- 国家試験に合格すれば、すぐに美容師・理容師として働けますか?
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国家試験に合格しただけでは、美容師・理容師として働くことはできません。
合格後に免許申請を行い、美容師名簿または理容師名簿に登録されることで、資格が必要な施術を行えるようになります。
- 免許を持っていなくても美容室や理容室で働けますか?
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受付や清掃、事務など、お客さまへの施術を伴わない仕事であれば働けます。
ただし、無資格の状態でカットやパーマなどの美容・理容行為を業務として行うことはできません。
- 美容師・理容師免許に有効期限はありますか?
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美容師・理容師免許に有効期限はなく、定期的な更新も必要ありません。
結婚や出産、転職などで現場を離れても、免許そのものが失効することはありません。
- 長期間仕事を離れていても復帰できますか?
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免許を取得していれば、ブランクがあっても美容師・理容師として復帰できます。
ただし、施術技術や薬剤、衛生管理の方法は変化するため、復職者向けの研修やサロンでの練習を受けてから復帰すると安心です。
- 美容師と理容師の両方の資格を取得できますか?
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取得できます。一方の免許を取得した後、修得者課程を利用してもう一方の国家試験を目指すことも可能です。
