3級とび技能士で就職できる仕事とは?年収・将来性まで徹底解説
3級とび技能士は、足場の組立てや仮設物の設置など、とび工事の基礎技能を証明する国家資格です。
とび職の入門資格である一方で「この資格で本当に就職やできるのか」「どの程度の年収が期待できるのか」「将来も需要はあるのか」といった疑問を持つ人は少なくありません。
本記事では、3級とび技能士で就職できる仕事の具体像、業界別の活かし方、年収水準、そして将来性までを解説します。

3級とび技能士とはどんな資格?
3級とび技能士は、技能検定制度における「とび職種」の3級に合格した人が名乗れる国家資格です。技能検定は、働くうえで必要な技能を評価する国家検定制度であり、とび職種では「とび作業」が対象になります。
とび工事には、足場の組立て・解体、仮設建設物の組立て、鉄骨などの構造物の組立て、重量物の運搬、建設資材の移動などがありますが、3級はその中でも、初級技能者として必要な基礎的な知識と技能を評価する区分です。

3級とび技能士の試験では、学科試験と実技試験が行われます。
難易度は、とび技能士の中では入門レベルです。ただし、現場作業を想定した資格であるため、机上の勉強だけでは十分ではありません。工具や材料の名称、足場の基本、安全帯や保護具の扱い、作業手順、危険箇所の見方などを、実際の作業と結びつけて理解する必要があります。
できるようになる業務内容としては、足場材の準備、資材運搬、足場組立ての補助、解体作業の補助、作業前点検、工具の準備、現場の整理整頓、安全確認などが中心です。
3級だけで現場を任されるわけではありませんが、とび職として働き始めるうえで、基礎知識と意欲を示せる資格です。
3級とび技能士で就職できる主な仕事
3級とび技能士は、とび工事の基礎技能を活かし、足場工事、建設現場、鉄骨工事、解体工事、土木工事などで活かされます。
ここでは、代表的な職種を紹介します。
1, 足場工事会社の作業スタッフ
足場工事会社の作業スタッフは、建設現場で職人や作業員が安全に作業できるように、足場を組み立てたり解体したりする仕事です。
3級とび技能士が活きる理由は、足場材、工具、安全作業、組立て・解体の基本を理解していることを示せるためです。
未経験で入職する場合でも、資格を通じて基礎を学んでいれば、現場での指示を理解しやすくなります。
年収は、未経験や見習いで300万〜400万円程度、経験者で400万〜600万円程度が目安です。2級とび技能士や足場の組立て等作業主任者を取得し、現場をまとめられるようになると、600万円以上を目指せる場合もあります。
2, 建設会社・工務店の現場作業員
建設会社や工務店の現場作業員は、建築工事や改修工事の現場で、資材運搬、仮設物の設置、作業補助、清掃、安全確認などを担当します。
3級とび技能士が活きる理由は、現場の安全や段取りを理解するうえで役立つためです。
とび職は、現場の作業環境を整える役割が大きく、ほかの職人が安全に作業できる土台をつくります。足場や仮設物の基礎を知っていることは、建設現場全体の流れを理解するうえでも強みになります。
年収は、若手作業員で300万〜420万円程度、経験者で400万〜550万円程度が目安です。現場経験を積み、職長や施工管理補助へ進むと、年収の幅は広がります。
3, 鉄骨工事・重量物据付の作業スタッフ
鉄骨工事や重量物据付では、建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てたり、大型設備や機械を現場に据え付けたりします。高所での作業やクレーンとの連携が多く、安全確認とチームワークが欠かせません。
3級とび技能士が活きる理由は、とび工事の中でも構造物の組立てや資材運搬に関する基礎を学べるためです。鉄骨工事では、作業手順、合図、周囲確認、部材の扱い、落下防止など、基本を守る力が重要になります。
年収は、見習いで320万〜420万円程度、経験者で450万〜650万円程度が目安です。玉掛け、クレーン関連資格、職長経験、鉄骨建方の経験が加わると、より高い収入を目指しやすくなります。
4, 解体工事会社の作業スタッフ
解体工事会社では、建物や構造物を安全に解体するための作業を行います。足場の設置、養生、資材運搬、廃材の仕分け、重機作業の補助、周辺環境への配慮などが主な業務です。
3級とび技能士が活きる理由は、解体工事でも足場や仮設物、安全衛生の知識が必要になるためです。
解体現場では、既存の建物を扱うため、崩落、落下、粉じん、騒音、周辺への影響などに注意しながら作業します。とびの基礎があると、現場の安全意識を持って働きやすくなります。
年収は、未経験で300万〜400万円程度、経験者で400万〜600万円程度が目安です。重機、石綿作業、職長、安全衛生関連の資格を組み合わせると、現場で任される範囲が広がります。
5, 土木・インフラ工事の現場スタッフ
土木・インフラ工事では、道路、橋梁、河川、トンネル、上下水道、造成、法面工事などに関わります。
3級とび技能士が活きる理由は、土木現場でも足場や仮設設備を使う作業があるためです。
特に橋梁補修や高架、法面、河川構造物などでは、高所や不安定な場所での作業が発生します。安全に作業するための基礎知識は、現場で重要です。
年収は、未経験で300万〜420万円程度、経験者で400万〜600万円程度が目安です。土木施工管理技士、職長教育、玉掛け、高所作業車などと組み合わせると、作業員から職長、施工管理補助へ進みやすくなります。
3級とび技能士の年収目安
3級とび技能士の年収は、資格そのものよりも、現場経験、担当作業、勤務先、地域、危険手当、残業、上位資格の有無によって変わります。
| 職種・業界 | 年収目安 |
|---|---|
| 未経験・見習い作業員 | 280万〜380万円 |
| 足場工事会社の作業スタッフ | 300万〜600万円 |
| 建設会社・工務店の現場作業員 | 300万〜550万円 |
| 鉄骨工事・重量物据付スタッフ | 320万〜650万円 |
| 解体工事会社の作業スタッフ | 300万〜600万円 |
| 土木・インフラ工事の現場スタッフ | 300万〜600万円 |
| 職長・現場リーダー | 500万〜750万円 |
| 独立親方・工事会社経営者 | 700万〜1,000万円以上 |
未経験者の場合、最初は資材運搬、準備、片付け、補助作業から始まることが多く、年収は300万円前後から400万円前後が目安になります。
3級とび技能士を持っていると、現場で使う基本用語や安全作業を理解していることを伝えやすくなります。
年収を上げるには、2級とび技能士、1級とび技能士、足場の組立て等作業主任者、玉掛け技能講習、職長・安全衛生責任者教育などを組み合わせることが有効です。
3級とび技能士の将来性
3級とび技能士の将来性は、建設業の人手不足、インフラ更新、改修工事、災害復旧、安全管理の高度化と結びついています。
市場動向として、建設業では技能者の高齢化と若手不足が課題になっています。
一方で、住宅、ビル、工場、物流施設、公共インフラ、橋梁、道路、河川設備などの新設・補修・更新は今後も必要です。足場や仮設工事は多くの工事で使われるため、とび職の仕事は一定の需要が続くと考えられます。
AI代替可能性については、図面確認、工程管理、危険箇所の検知、作業手順の確認、教育動画の作成などは効率化される可能性があります。
しかし、高所での作業、資材の扱い、足場の組立て、現場での声かけや合図、天候や地盤状況を踏まえた安全判断は、AIだけで完結しにくい分野です。
ただし、3級だけで長く高い評価を受けるのは難しいため、早い段階で実務経験を積み、2級、1級、作業主任者、職長へ進むことが重要です。
とび職は体力が求められる仕事ですが、経験を積むと、作業員から職長、現場管理、協力会社管理、独立へ進む道もあります。
3級とび技能士はこんな人におすすめ
3級とび技能士は、未経験からとび職や建設現場の仕事を目指したい人におすすめの資格です。
特に、足場工事、鉄骨工事、解体工事、土木工事、橋梁補修、プラント工事などに関心がある人に向いています。
体を動かす仕事が好きで、チームで作業することに抵抗がなく、高所作業や現場作業に責任感を持てる人には相性があります。
まとめ
3級とび技能士は、足場の組立てや仮設物の設置など、とび工事の基礎技能を証明する初級区分に位置づけられる国家資格です。
建設業では人手不足や技能者の高齢化が続いており、現場で安全に作業できる若手技能者の需要はあります。AIやデジタル技術が進んでも、足場の組立てや高所作業の安全判断は人の技能が必要です。
資格を取得した後は、実務経験を積み、2級とび技能士、1級とび技能士、足場の組立て等作業主任者、玉掛け、職長教育などへ進むことで、長く活かしやすい資格になるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- Q1, 3級とび技能士は就職や転職に有利ですか?
-
3級とび技能士は、足場工事会社や建設会社へ就職する際に、基礎知識と意欲を示す材料になります。
- Q2, 年収はどのくらいですか?
-
未経験や見習いでは280万〜380万円程度、足場工事や建設現場の経験者では400万〜600万円程度が目安です。
- Q3, 難易度はどれくらいですか?
-
3級とび技能士は、とび技能士の中では入門レベルです。
ただし、実技試験と学科試験があり、工具、材料、足場、仮設物、安全衛生、関係法規などを理解する必要があります。現場経験や実技練習がある人の方が対策しやすい資格
- Q4, どのような仕事で活かせますか?
-
足場工事、建設現場作業、鉄骨工事、重量物据付、解体工事、土木・インフラ工事などで活かせます。特に、足場の組立て・解体、仮設物の設置、資材運搬、安全確認などに関わる仕事と相性があります。
- Q5, 2級とび技能士との違いは何ですか?
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3級は、初級技能者として必要な基礎知識と技能を問う区分です。
2級は中級技能者向けで、より実務経験を前提にした知識や作業能力が求められます。就職時の入口としては3級でも意味がありますが、現場で職人として評価を高めるなら2級以上を目指すことが重要です。
- Q6, 3級とび技能士だけで現場作業はできますか?
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3級とび技能士は、とび作業の基礎技能を証明する資格ですが、すべての現場作業を単独で行える資格ではありません。
実際の現場では、作業内容に応じて足場の組立て等作業主任者、玉掛け技能講習、高所作業車運転技能講習、職長・安全衛生責任者教育などが必要になる場合があります。現場では会社や元請の安全ルールに従うことが大切です。
